元TOKIO・山口達也事件 守るべき女子高生を晒しものにしたメディアスクラム

2018年05月10日 TOKIO 女子高生 山口達也 未成年 被害者

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 未成年者への強制わいせつ容疑により書類送検され、ジャニーズ事務所を退所するに至った山口達也"元メンバー"だが、マスコミによる報道は未だ続いている。

 しかし、今回の事件は登場人物が少なく、山口のアルコール依存といったネタだけでは、すぐに話題が尽きてしまう。それならそれで諦めればいいのではと思うが、金になる情報をいつまでも手を変え品を変え垂れ流そうとするマスコミは、ネタ欲しさに「踏み越えてはいけないはずの一線」をも容易く越えてしまう。

 過去にも様々な事件でメディアスクラムや行き過ぎた過熱報道が非難されたケースがあったが、その根底にあるのは「メディアは情報を金に替える商売」だということ。これがある以上、TVや週刊誌の暴走にブレーキをかける事は難しい。


頼みの綱「報道の自由」も読者に支持されなかったら意味なし


 今回の一件では、そんなマスコミの暴走が「被害者の未成年女性に対する追い打ち」という形で表面化してしまっている。しかも、それを後押ししたと見られるのは捜査関係者だ。

 とある週刊誌は、"さる捜査関係者"が、ジャニーズ事務所ですら把握していない被害者調書の内容を元に、事件当日の詳細を解説したという。そこには当日被害者がどのように呼び出され、密室で何をされたのかが克明に書かれているのだが、これは報道として許される範疇なのだろうか。

 まず、その記事がでっち上げである可能性を考えなければ、被害者の調書の内容を知る事ができる人間は限られるので、"さる捜査関係者"は本物と判断するよりない。だとすれば、その人物は週刊誌に捜査情報を漏洩したことになる。

 被害者が未成年である点を置いても、「性犯罪の被害者が加害者に何をされたか」を世間にばら撒く行為には必要性が感じられず、真っ当な情報公開であるとは言い難い。いったい、この捜査関係者とやらは、何が目的でこのような情報を漏らしたのだろうか。

 そもそも、この国では「未成年者は守られるもの」というのが絶対のルールだったはずである。それが性犯罪の被害者ならばなおさらだ。

 ところが、金に目がくらんで事の分別が付かなくなったメディアは、その大前提をすっかり忘れてしまったようだ。こんな記事の作り方が許されるならば、今後もこれに追随して、被害者の未成年女性すら食い物にしようとする魑魅魍魎の類が続出するだろう。


「報じねばならない理由」を明らかに


 被害者の女性が何をされたのか気になるという野次馬根性はわかるが、その好奇心を満たすために未来ある若者を犠牲にして良いはずがない。仮にそのような内容の情報を売って金にしたいというならば、せめて『性犯罪被害者+未成年+女性』という組み合わせに負けないほど強い「報じねばならない理由」を明らかにすべきである。

 人々の知る権利は憲法で保障されたものであり、それを助けるために報道も表現の自由として保障されている。

 しかし、だからと言ってこれは決して無敵のカードではない。例えば、これらと他の憲法で守られた人権(幸福追求権やプライバシー権など)とがバッティングした場合に、必ずしも知る権利や表現の自由が勝る訳ではない。

 マスコミの悪癖で、自分達の非を責められた場合に、お約束のように「表現の自由」を盾にするが、それは表現の自由の範疇から自分達を排除する結果になり兼ねない悪手である。

 世の中には知らなくていい事や、知るべきではない事、知らせるべきではない事が山ほどある。金欲しさにメディア人としての矜持を捨てた輩には、何よりも恥を知って欲しい。(文◎荒井禎雄)

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