大相撲協会公式サイトより
昨年10月、元横綱・日馬富士関からの殴打により貴ノ岩関が頭部に深刻な傷を負い、騒動を明るみにした元貴乃花親方が孤立し引退に追い込まれるという騒動は記憶に新しい。一連の騒動では被害者だった貴ノ岩関だが、一転「加害者」となってしまった。
自身の付人が忘れ物をしたため、貴ノ岩関が付人に対し平手と拳で4、5回殴るという暴行をはたらいてしまったのだ。「暴力決別宣言」を出したばかりの日本相撲協会としても厳しい処分をせざるを得ない状況と考えられていたが、6日には貴ノ岩関自らが引退の意向を固めたという。
背景には元横綱・日馬富士関を相手取り2400万円以上の損害賠償請求を行なったところ、母国モンゴルで親族が大バッシングの矛先とされる騒動に発展したため、再び親族が矛先とされることを嫌ったと考えられている。
角界を揺るがす暴行騒動の被害者が一転加害者にという流れは、インターネット上でも大きな議論の的となった。
「かわいがりのトリクルダウン」
「結局貴乃花がかき回してただけだったんだな。日馬富士犬死じゃん」
「暴力を振るう親の子供は高確率で暴力を振るうからね。古今東西に存在する暴力の継承だね」
「相撲も1年中話題に事欠かないな」
「こりゃモンゴル帰れないだろw」
「モンゴルに帰ったら前の件と合わせて割りとマジで自殺に追い込まれる悪寒」
「弟弟子から優勝先越されてイライラしてたかな」
「格が上なら絶対従わなくてはならない そう大相撲ならね」
一方、今回の被害者である貴ノ岩関の元付人は取材に対し「自分が付人として悪かったんです。言われたことをちゃんとできなくて」と語っている。
伝統を重んじる業界だけに、これまで長きに渡り横行してきた体罰を伴う厳しい指導からも抜け出しきれていない印象の強い相撲業界。今回のような一連の暴行騒動が、体罰や暴力の連鎖から抜け出せるきっかけとなってくれれば良いのだが。
また、母国モンゴルでは厳しいバッシングが待ち受けているであろう貴ノ岩関は、今後の身の振り方をどのように考えているのだろうか。(文◎編集部)
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