「払う、払う」って言ってるのに......
現金に対する信頼の厚い日本では、キャッシュレス決済の流れが本格的なものとなっておらず、決済サービスの大本命も現れていない。
ここに勝機を見出し、様々なキャッシュレス決済サービスが大規模なキャンペーンで名を売り始めているのだが、昨年末に「100億円あげちゃうキャンペーン」を打ち出し大騒動となったのがソフトバンクとヤフーのジョイントベンチャー「PayPay」だ。
利用金額の20%という額がキャッシュバックされるという同キャンペーンは、高額商品を求める人々が家電量販店に押しかけるという騒動や、駆け込み利用客が利用可能店を求め奔走する騒動、キャッシュカード不正利用の疑惑がもち上がる騒動など様々な派生騒動を生み出した。
もちろん転売を目的とした通称「転売ヤー」も多く参戦することとなったのだが、現在この転売ヤーの嘆きが新たなPayPay騒動を発生させている。
転売ヤーとしては珍しく顔出しで騒動に言及するYouTube動画を公開した人物の悲痛な叫びによると、高額転売が可能な人気商品『Nintendo Switch』をPayPay決済にて32台購入。そして転売自体は成功となったため、今月10日に付与される予定だったキャッシュバック分約25万円が利益となる...はずだったのだが、予定されていたキャッシュバック分がPayPay規約違反として「全て取り消しになりました」と肩を落としうなだれているのだ。
この動画が話題になると、同様の取り消し被害が続々と報告されるなど、現在は「PayPay100億円取りあげちゃうキャンペーン」と揶揄されるほどの騒動となっている。
「わらうわこんなん」
「第2回キャンペーン用の資金集めかな。どんどんやれ」
「転売って法律違反でもないのにおかしいよな。こういうマイルールが許されてるから何時まで経っても法律の方が改正されないで状況が変わらない」
「転売自体には一定の規制は必要と思うけれど、一私企業が勝手なルールや理屈で人を裁くってのは看過しちゃいけないと思う」
「転売がアウトになっているわけではないから、転売屋ざまぁとかわめいてるやつは的外れ」
「複垢がBANされただけで25万以内でやってた転売屋はみんな貰えてる」
「使ってない人、理解してない人がザマァー言ってるサマはなんか悲しくなるな」
「普通に利用して五万ポイント貯まってるけど特に欲しいものも無いんだよな。最近家電に勢いが無くて寂しい」
また、同様に複数アカウントによる大量購入からキャッシュバックが取り消された人はPayPay公式Twitterアカウントに「後出しじゃんけんで規約変更して対象外にする御社のほうが余程詐欺的なのでは(クソリプ」といったコメントを送りつけるなど抗議活動も目立つ。
この騒動でPayPay狂想曲は終焉となれば良いが、利用規約には「付与を受けた後に、対象となるお支払いが返金となった場合は、付与されたPayPayボーナス相当額を当社所定の方法により請求いたします」との一文もあるため、安心するのはまだ早い。
付与が受けられたという転売ヤーも安堵や喜びのコメントをうかつに発信すべきではないだろう。(文◎編集部)
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