迷惑防止条令で裁判を受けていた水上政夫(仮名、裁判当時71歳)は、起訴事実を否認しました。
「全面的に違っています」
弁護人も同様の意見で、被告人の無罪を主張しました。彼は否認していますが犯行の一部始終は防犯カメラに音声も含めて全て映っています。
犯行の舞台はコンビニのイートインコーナーでした。そこで食事をしていた彼の近くの席に二人組の女の子(二人とも事件当時12歳)が座りました。面識はありませんでしたが、彼はこの二人組に話しかけました。
「話した内容はよく覚えてないです。勉強のこととか、だったかな。女の子たちの反応は普通だと感じたし、イヤがってたとは思ってなかったです」
裁判ではこのように供述していました。防犯カメラに記録されていた音声では、
「勉強なんかよりさ、もっと面白いことしたいよね。エッチなこととかさ」
「クラスで、エッチしてる子とかいるの?」
などと問いかけていました。その後、少し話してから女の子たちが席を立って店から出ようとすると、
「もう帰るの?」
「触らせて」
などと言って二人のお尻や太ももあたりに手を伸ばしました。防犯カメラでは触れている場面も映っていますが彼の言い分では、
「親しみというか、軽い冗談とかそういう気持ちで言っただけです。性的な意図なんかなくて、振り向いた時に少し触れただけです。性的な意図なんてない」
ということです。
弁護士の見解では、
「故意で触ったわけでもなく、ほんの少し触れただけで違法性はない」
というものでした。
その前の会話から、どう考えても性的な意図があったのは明らかですが、彼はそれは頑なに否定していました。被害者の女の子たちはその後の警察官の取り調べで、
「とても気持ち悪かった」
と供述しています。
検察官の鋭い質問に......
検察官も被告人質問で彼を追及していましたが、のらりくらりと答えるばかりでした。
――知らない女の子に話しかけるのはよくやってることなんですか?
「めったにないですけどね」
――『エッチしてる子いる?』と、なんで言ったんですか?」
「なんか、そういうようなことを女の子たちが話してたんじゃないですかねえ」
――女の子たちは動画ではそんなこと全く話してなかったですけど。
「じゃあ、ちょっとわかんないなあ」
――いきなり知らない男の人にそんなこと話しかけられる女の子の気持ちって考えましたか?
「そうですね...ちょっとわかんないなあ。そんなにイヤらしいって感じじゃなかったです」
――『触らせて』とか『エッチしてる子いる?』とか、適切な言葉だと思いますか? 女の子たちはイヤな気持ちになったみたいですけど。
「それじゃあいけないなあ」
――昨年にも強制わいせつの容疑で警察で取り調べ受けてますよね?
「あんまり覚えてないです。たしかボートに乗りたいって言うから乗せてあげて...他には何もないです」
――女性の胸を触った、ということだったんじゃないですか?
「わかんないです。記憶にありません」
――他にも同じようなことやってるんじゃないですか?
「ないです。自分の行動ね、今後気をつけていきたいです。その時は悪いことした気持ちなんてなかったですからね。そういう風に迷惑かけるつもりなんてなかったです」
無罪を主張していることからもわかりますが、どうも彼には罪の意識が全くないようです。たとえ彼の言うように「軽い冗談」であったとしても、見知らぬ女の子たちに「触らせて」と声をかけて実際に触っている行為が許されるはずがありません。
また、もし触っていなかったにしても彼の話していた内容は批難されて然るべきです。
検察官は論告で、
「規範意識が希薄」
「今後も同じような犯行を繰り返すおそれがある」
として、罰金30万円を求刑しました。
被害者の女の子たちへの謝罪や慰謝の措置は何も取られていません。70歳を過ぎて、彼は一体何をしているのでしょうか? 反省しているとは全く思えない彼の態度には怒りしか感じられませんでした。(取材・文◎鈴木孔明)
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