スピード離婚が話題となった山本太郎参議院議員であるが、離婚記者会見はやはりいただけなかった。なぜ、「言ってはいけない」と分かっている事を言ったのか。「蒸し返したくないんです」と言いながら、蒸し返しまくっているのはいかがなものか。
さて、当初の劣勢を覆し、逆転ともいうべき勝利を手にした彼が間接的に関わっているであろう市民の党の人間関係を見てみると、ひじょうに興味深い。
市民の党が中核派と見られているのは周知だが、そこにはある知られざる人脈と雑誌が関わっている。
その雑誌の名前は『現代の理論』という。
立ち上げメンバーが安東仁兵衛氏。東京大学の戦後最初の退学者と言われ、学生運動、左翼運動の理論的支柱の一人と言っていい。同じような名前の雑誌で『現代の眼』というのがあり、こちらも興味深いメンバーが執筆しているが全くの別物である。
とにかく、安東氏の一種のカリスマ性によって集まった書き手、編集者たちのメンツが興味深い。管直人元首相も編集者の一人だった。江田三郎社会市民連合代表やその子息江田五月元法務大臣も、ジャーナリスト高野孟氏もメンバーである。
菅直人氏が首相だった頃の官邸日記にも記されていたはずだが、江田五月法務大臣と銀座のバー「四馬路」(すまろ)に行ったとある。一国の総理大臣が行く店であるし、場所も銀座だから相当なクラブかと思いきや、歌舞伎町・ゴールデン街のバーを彷彿させるような小さな店である。
それもそのはず、この店はゴールデン街の「G」というバーのママが出した店なのであるから。「G」には学生運動で名を馳せた人物が多く客として来ていた。
市民の党の斉藤まさし氏もこの店の客だった。自然と、この店は中核などの左翼運動家やシンパが集う。ジャーナリスト歳川隆雄氏も常連。菅直人夫人、菅伸子さんも「四馬路」のママとは昵懇の仲。「四馬路」の名づけ親は作家船戸与一氏。そこには自然と学生運動の仲間たちが集うようになる。今夏惜しくも亡くなってしまった戸井十月氏、ジャーナリスト二木啓孝氏、そして東京都知事猪瀬直樹氏などが客として知られている。いわば文壇バーのような態をなしていたのだ。
「この安東仁兵衛人脈、『現代の理論』人脈が山本太郎参議院議員を支援した今日の市民の党の原点でもあり、また反原発、反TPPなどの主張の一翼を担っているのだと思う」(某ジャーナリスト)といった見方もあり、山本太郎氏から市民の党を探っていくと意外な人物の名前が挙がってくるのが興味が尽きない。
以前から新宿ゴールデン街で飲み歩いている山本太郎の姿は多く目撃されている。本人は知ってか知らずか、学生運動人脈の熱気にあてられているのかも知れない。
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Written by 日刊ナックルズ編集部
Photo by ひとり舞台 脱原発-闘う役者の真実/集英社