12月9日にみんなの党から14名が離党した。渡辺喜美代表と決裂した江田憲司・前幹事長に13名が付いた形だが、今後の展開はそうたやすくはない模様だ。
翌10日に、江東区のイースト21で柿沢未途氏のパーティーが開かれた。今年8月、渡辺氏に強引に離党を迫られた柿沢氏は、江田氏らが作る新党に合流する予定だ。後援会長の挨拶の後、江田氏のスピーチになり、その時にみんなの党の離党者も登壇したのだが......。
舞台上に上がったのは江田氏の他、小野次郎氏、川田龍平氏、柴田巧氏の4名だけ。おそらく打ち合わせでは、多くの「同志」がかけつけ、結束を誓い合い、新党結成をおおいに盛り上げようとする手はずだったに違いない。
たった4名ではいかにも寂しい......と思っていたところに、青柳陽一郎氏が到着。しかしスピーチをすませた江田氏は、後の日程のために会場を去っている。その後に椎名毅氏と井坂信彦氏が駆け付けたが、それでも6名。一方で日本維新の会からは山田宏氏ら8名がパーティーに参加しており、こちらの方が数が多かった。
そもそも江田氏には多数の人間が同調していたわけではない。10月にみんなの党の番記者が開いた懇親会で、渡辺氏は「江田についていくヤツは10人もいない」と豪語していた。またある党関係者は「江田派と言われる人たちは、井坂氏など5名程度」と述べていた。
さらに同関係者は「13名も江田氏に従ったのは、11月14日に安倍晋三首相と会食した時以降の渡辺氏の党運営に嫌気がさしたからだ」と話した。要するに13名の多くは、もともと積極的な離党の意思はなく、結果的にやむをえずに「消去法的離党」を選んだということになる。
そうした意味では、江田氏は求心力を欠いている。新進党結党時は小沢一郎氏がいて、民主党(旧)結党時には鳩山由紀夫氏と菅直人氏がいた。政治家としての歴史的評価はさておき、当時の彼らは圧倒的な求心力を持って政界を動かしていた。
「リベラルや保守ということではなく、それを超えた政治を目指す」
11日に開かれた新党準備委員会の後、江田氏は記者団の質問に答えている。だが人は好き嫌いで離合集散するもの。政治も同じだ。同じ政策で意見がまとまるものなら、渡辺氏と「復縁」できるはずだ。
一方、江田氏が描く新党の「仲間」であるはずの細野豪志氏は民主党を離党するつもりはなく、日本維新の会の松野頼久氏も「彼に付いていく人は少ない」(日本維新の会関係者)という状態。ディープスロートは「来年にもうひとなみが来る。その時以降に本格的な野党再編が行われる」と見ている。
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Written by 安積明子
Photo by 愚直の信念
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