週刊新潮が渡辺喜美みんなの党代表の金銭スキャンダルを報じた。渡辺氏に8億円貸したという吉田嘉明DHC会長が告発文を寄稿したのだ。そのうちの5億5000万円はまだ返却されていない。渡辺氏は「個人として政治家として生きていく上で使わせてもらった」と答えているが、その具体例として「熊手」を挙げたことで失笑を買った。
果たして吉田氏から借りた大金は、酉の市の熊手の購入だけに消えたのか。週末の永田町を取材した。そもそもみんなの党は昨年8月まで、他の党にあるような「党内決裁」は存在しなかった。決裁を行うのは代表の渡辺氏であり、全ての資金は彼の手にあった。
「17億円に上る政党助成金と2億円を超える立法事務費の運用がブラックボックス化し、役員や所属議員がチェックできない状態だ」
不明な党資金の使途を追及したために幹事長職を更迭された江田氏は、離党時にこう語っている。
「通帳を通じてやっているので、裏金ではない」
吉田氏から借りた大金の使途について渡辺氏は27日の会見でこう述べたが、江田氏の言い分を顧みると、そもそも渡辺氏の党運営自体が裏運営だったのではなかったのかという疑念が残る。
では渡辺氏は、吉田氏からの借入金全てを自分の私用に使ったのか。そう考える人は少ない。
「その大部分を使ったのはまゆみ夫人だろう。あの夫婦は贅沢が大好きで、奥方がその主導権を握っている。党の運営についてもそうだ。例えば......」
みんなの党の関係者は、驚くべき事実を語ってくれた。実は2012年12月の衆院選で、みんなの党は渡辺代表がスケボーに乗った17秒のCMを作成したことがあった。
「CM作成については、まゆみ夫人が党に断りなく勝手に電通と契約してきた。我々はまゆみ夫人から『任せた』と言われたので、製作会社といろいろと打ち合わせしてみたが、どうも様子が違う。仮作成の映像を見て『こう直してくれ』と言っても、製作会社から『それでは予算がオーバーしてしまう』と断ってくる。どうやら我々のところにくるまでに、すでにまゆみ夫人がいろいろと直させていたようだ。自分の手にあわなくなったので、我々のところに持ってきたのだろう」
そして契約の金額を見せられて、みんな驚愕したという。
「まゆみ夫人は勝手に2000万円と契約していた。党としての予算は500万円しかなかったのに......」
このようにして、党からいろんな経費が消えていったらしい。これでは何億円あっても足りはしない。
渡辺氏が吉田氏から借りたお金で熊手を買ったのは事実だろう。もしかして熊手が唯一、渡辺氏が自由に買えたものだったかもしれない。
週末、渡辺氏は永田町から姿を消した。だが、だからといって、疑念が消えるわけではない。吉田氏からの借入金をどう使ったのか。国民に対する詳細な説明が必要だ。
Written by 安積明子
Photo by みんなの党公式サイト
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