「権力の暴走を許さない」との勇ましい一文を党のHPの冒頭で堂々掲載の民主党ですが、津田弥太郎参院議員が「暴力で暴走」しちゃいましたよね。17日夜の参院平和安全法制特別委員会で、自民党の大沼みずほ議員を後ろからはがいじめにして引き倒し、怪我をさせた件です。24日のお昼に津田議員が大沼議員に謝罪して、「一件落着」したそうです。
一方で自民党も17日夜、ピンクのリボン隊として理事会室の前で「女性の声を聞け!」と叫んでいた民主党の安井美沙子議員が自民党の佐藤正久議員に胸を小突かれています。これも24日夕方に佐藤氏が謝罪で終わり。
民事ならこれでいいかもしれないですよ、民事なら。でも事件が起こったのが国会の中なんですよ。日本の最高意思決定機関、しかもかつては「貴族院」として使われていたところで起こったんですよ。
大沼議員の被害について、自民党は怒りましたよ。18日夜、谷垣禎一幹事長は懲罰動議に言及しましたし、稲田朋美政調会長も20日の報道番組で、民主党の蓮舫代表代行に苦情を述べようとしました。ところが......。
「それを言うと泥沼になる」
蓮舫代表代行はそう言ったんですよ。すなわち「自民党も同じような暴力をやったんじゃないか」という、不法行為でもって不法行為を相殺しようという抗弁です。ぶっちゃけて言えば「子供の喧嘩」です。ああ、アホらし......。
何が一番アホらしいかというと、平安特で民主党が「女性の声を聞け!」とピンクのリボン隊を主導しておきながら(共産党の女性議員も参加していましたが、呼びかけ人は民主党女性議員です)、女性である同党の代表代行に女性が被害にあっていることの配慮が全く見えないこと。これについて24日に行われた代表代行会見で質問しましたよ。そうしたら......。
「男性議員も怪我しましたし」
と、蓮舫代表代行はおっしゃった。いやそういう問題ではないの。ワタシ、別に「女性への暴力はダメだけど、男性への暴力はいい」とは一言も言っていない。一番の問題はね、日本の国会という場で暴力事件が起こったということなんですよ! その中でどうしても、男性より体力的に劣る女性にしわ寄せがくる。そういうことについての配慮が「泥沼になる」発言から見えてこないことを言ったんですよ。
自民党と民主党は「手打ち」をしたからいいんでしょうけど、国の最高意思決定機関でつまらんことをやられた国民としてはまさに、"激おこぷんぷん丸٩(๑`^´๑)۶"ですわ!
Written by 安積明子
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