「これを読んで下さいよ」
ある秘書さんがなぜか涙ながらに見せてくれたのは、「維新の党 歳費引去り中止のお知らせ」というタイトルのファックス。10月28日付けで、維新の党国会議員団本部から出されたものだ。
内容は、同議員団本部が議員連盟会議等の歳費引去り及び送金業務を代行していたが、「党内の情勢により、業務が困難となったため」中止するという知らせだ。その秘書さんの事務所はある議連の事務局を務めているので、連絡がきたようだ。
それにしても「党内の情勢」とはまた意味深な表現で、これを書いた人の哀しさや、苦しさまでもが伝わってくる......。って、それをお前は見たんか? と言われると、ごめんなさい。知りません。私が勝手に感じているだけですが。
「本当に維新は丁寧ですよ。毎回、引き落とした議連の会費をファックスで知らせてきましたから」
それで、議連に入っている維新の党の議員は何人なんですか?
「ひとりです」
では会費はいくらなんですか?
「100円です」
ということは、維新の党国会議員団本部の担当者は、毎月1人の議員の100円の引き落としのために、わざわざA4の紙1枚の書類を作成し、ファックスを送ってきたわけだ。
「ここまで丁寧にしてくれたのは、維新だけですよ。あとは適当」
へえ、ではあなたの先生が所属する某政党も、そこまでしてくれない?
「はい、当然です」
この秘書さんは、こんなに丁寧に仕事をしていた維新の党国会議員団本部の職員の行く末を案じている。
「10月に支給された政党交付金が口座凍結で引き出されないと聞きました」
はい、東洋経済オンラインで書きましたけど。
「それで、給与の支払いなど、大丈夫なんしょうか」
それは10月29日の記者会見で、松野頼久代表が「最低限は支払いたい」と言っているから、大丈夫なんじゃないですか?
「ダメですよ!ボーナスもきちんと支払わないと!」
しかし維新の党の懐具合も、相当厳しそうなのですからねえ......。その一方で、上西小百合衆院議員や武藤貴也衆院議員は、国庫からきちんと歳費もボーナスも支払われる。秘書さんとコーヒーをすすりながら、日ごとに寒くなっていく季節とともに世の中の無常を痛感した。
Written Photo by 安積明子
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