1月19日、自民党大会が東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪で行われた。野党時代は、ホテル外では右翼の街宣車が相当集まっていたものだが、今年は比較的静かだった。
午前10時に始まった党大会は野党時代とは比べものにならないほど盛況だった。オープニングのBGMにダンスミュージックが流れ、これからトランス系イベントが始まるのではないかと思ったほど。国家斉唱は歌手の松崎しげる。石破茂幹事長の党務報告へと進む。来賓である友党の公明党山口那津男代表、経団連米倉弘昌会長のあいさつが続き、安倍首相の演説が始まった。
安倍首相の演説の手に拳を作って振りかざしたり、人差し指を一本挙げてのパフォーマンスを見ていると、自民党の勢いを感じざるを得ない。安倍首相はひたすらアベノミクスの経済効果を強く訴えていた。
それに比べて石破幹事長は幾分冷静に見えた。党内でも「自民党が勝ったのではなく、民主党が勝手に自滅しただけ」といった見方をするものも多く、石破幹事長はそういった声に応えるように演説で「余り調子乗らないように」と党内をいさめることに終始。今回の党大会のスローガン「日本を取り戻そう」「統一地方選挙勝利」について強調し、都知事選については舛総要一候補の名前を出し、改めて支援を表明した。
また、2020年東京オリンピック・パラリンピックも特に意識して強調していたように見えた。ゲストにはアトランタ、シドニー、アテネ、北京と4大会連続出場し、計15個の金メダルを獲得したパラリンピック水泳の成田真由美さん、オリンピックハンマー投げの室伏広治氏を招いたトークにもたっぷりと時間を設けていた。ちなみに東京オリンピック招致決定の場面映像が流れたのだが、猪瀬直樹前都知事の姿は一瞬だけ映っていた。
野党時代の「寂しい自民党大会」を見てきた者としては、「乗りに乗っている自民党」の印象が強い党大会だった。
Written Photo by 久田将義(東京ブレイキングニュース編集長)
【関連ニュース】
政治評論家・岩見隆夫さん死去...あの鋭い眼光が忘れられない by久田将義
【関連記事】
●海自輸送艦おおすみ衝突事故は予想されていた? 危険な渋滞水路「瀬戸内ハイウェイ」の内情
●日本維新の会と結いの党連携を阻む「疑惑の怪文書」~2014年の野党再編を占う
●東日本大震災・大川小学校の悲劇を繰り返さないために by渋井哲也