2014年の政局はどう動くか。昨年末に野党再編を目指してみんなの党から離れ、結いの党を結成した江田憲司氏らの思惑は、果たして実現するのか。ある関係者はこう述べる。
「江田氏は日本維新の会を飲み込むつもりだ」
しかし日本維新の会には、石原慎太郎氏や平沼赳夫氏らの旧太陽系の議員たちがいる。橋下氏と江田氏は今月15日から政策論議をする予定だが、石原氏は1月9日のプライムニュース(BSフジ)で「私は違和感がある」と述べて、日本維新の会として一致して結いの党との連携するつもりはないことを明言した。
「それでも江田氏は自信満々だ。『維新と一緒になれば、こちらの色に染められる』と公言している」(同関係者)
そんな江田氏の思惑通りに、ことが進むはずがない。さらに大きな力が動いているというのが現状だ。
「なんとしても憲法改正を実現したい安倍政権は、日本維新の会と組むつもりだ。菅義偉官房長官がたびたび橋下徹日本維新の会共同代表と会うのはそれが理由だ。橋下氏自身はある時は改憲、ある時は護憲と、ころころ変えているが、最終的には自民党のいいなりにならざるをえない事情がある」(大阪の維新関係者)
実は昨年8月23日付けで、「橋下・松井・維新の会議員の疑惑一覧」なる文書が流された。中身は読んで驚くような愛人問題、金銭問題、家庭問題などが10ページにわたって具体的に記載されていた。
「国税、検察は動きたくてうずうずしているが、自民党が止めている状態だ。橋下氏が自民党の軍門に下れば何もないが、もし江田氏と組み、自民党に弓を引こうとするなら、自民党はすぐに国税と検察にGOサインを出すだろう」(同関係者)
これでは橋下氏も安易に決断することはできない。
「江田氏はこれを知らないので、悠長に『維新を飲み込む』などと吹聴しているが、とんでもない。その可能性はゼロに等しい」(同関係者)
とするならば、野党再編を目論む江田氏の願望はあぶくと化す。結いの党は存在意義を失い、消滅の危機を迎える。
「誰も今年末までに、結いの党が存続するとは思っていない。片や、みんなの党も、脱藩組を除いて一致結束できているわけではない。政局は第二の側面を迎える」(同関係者)
実際に、「猜疑心の強い渡辺喜美代表は、江田氏に代わる次の『ターゲット』を見つけた」とも言われている。また自民党に合流の話も聞こえてきており、今年もみんなの党が政局の渦の一部であることは間違いないだろう。
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Written by 安積明子
Photo by 秘密ノート〜交渉、スキャンダル消し、橋下対策/飯島勲
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