トラブルなう
久田 将義
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何にしろトラブルはよくない。
東名高速道路上で車を停車させ、過失運転致死容疑で石橋和歩容疑者が逮捕されました。道路上にはあの類の危険ドライバーはたくさんいます。いや、いると想像しながら運転をした方が危険を回避できるでしょう。
こんな例を挙げます。数年前、僕は東名高速の下り、静岡の途中から煽られた事があります。が、僕も強情なので80kmギリギリで走り車線を譲らないままでいました。結局名古屋あたりでその車は降りていきました。2キロくらいの距離で煽られ続けました。
こういう時は、僕のような行動をとるのは間違っていて、すぐに譲った方がよいです。これは一般道路でも言えます。常に譲る精神で運転する事です。何の損もあせん。自分の小さな自尊心のために煽り行為に対抗する必要はありません。むしろ煽り行為をするドライバーには。「こんな事で自分の感情を発散させることしかできないなんて、貧相な人生を送っているんだな」ぐらいに心の中で、ディスっても良いくらいです。
と、ここまで優等生的な事を書いていますが、僕は決して優れたドライバーではありません。20代の頃までは荒っぽい運転をしており、もめごとになる事も多々ありました。よく、事件にならなかったなと思うくらいです。車から降りて行って、という場合もありました。しかし、もめごとは社会生活を営む上でマイナスなしか働きません。
それは30歳から、雑誌の編集長になり、ヤクザ、右翼、半グレから怒鳴られ、政治家や企業、文化人からは訴えられているうちに、つくづくそう感じたているわけです(売られた喧嘩は買いますよ。あくまでビジネス上の話ですが)。
運転している人がどんな性格なのか分からないわけですよね、こちら側としては。以前、前の車ともめそうになりました。しかしまえの車のドライバーが片言の日本語で「ウルサイ! コロスよ!!」と叫んできたのでヤバイと思い、素直に先に行かせました。
車の中にいると、自分の世界に浸ってしまいます。結果、自分を客観視できなくなり、後の事を考えずに喧嘩を売ってしまったりします。その行動がもしかしたら取返しのつかない結末をもちらす事になるかも知れないのにも関わらず。
タクシーに乗っていた時。そのタクシーがムチャな追い越しをかけました。追い越された車はワゴンで社用車でした。東京駅から飯田橋まで煽り、結局信号待ちで車からおりてきて、僕が乗っていたタクシーのドライバーに怒鳴っていました。タクシーのドライバーはスマホでその様子を撮影していました。社用車のドライバー信号が青になったので引き上げました。僕は二人とも愚かだなと思いました。
まずムチャな追い越しをかけたタクシードライバー。本当にマナーが悪かったので、相手は怒るだろうなと感じました。つまり、相手を怒らすような運転をした時点で、間違っています。
続いて、社用車のドライバー。社用車なので、恐らく仕事の途中だったと推測します。仕事の最中に、確かにムチャな事をやられたとしても、一キロくらいにわたって、タクシーを煽り、追いかけるという行為は、とても仕事のできる人だとは思いません。またたまたま、僕がメモをしていなかっただけで、車の横に会社の名前が書いてあったので、事故でもあればすぐに会社に迷惑がかかるであろうことは容易に想像がつくはず。
触らぬ神に祟りなしとい言葉が日本にはあります。道路のみならず、電車内、駅構内、公道もそうです。確か、駅構内で暴力沙汰を起すのは全共闘世代で20台の子たちは大人しいというデータが出ているように思います。拙著『生身の暴力論』(講談社現代新書)参照の事。
何となくイライラしている全共闘世代の人が駅にいたら、距離をとる事をおすすめします。(久田将義)
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