夏の匂い3部作! つばきファクトリーの最新トリプルA面シングルが「少女の匂い」にこだわりまくっている!

2018年07月18日 つばきファクトリー ハロプロ ハロープロジェクト 夏の匂い3部作 少女の匂い 最新トリプルA面シングル

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デートの日は二度くらいシャワーして出かけたい/純情cm(センチメートル)/今夜だけ浮かれたかった(初回生産限定盤SP)


 ハロー!プロジェクトの9人組アイドルグループ・つばきファクトリーの最新トリプルA面シングル『デートの日は二度くらいシャワーして出かけたい / 純情cm(センチメートル) / 今夜だけ浮かれたかった』が7月18日にリリースされます。この3曲が3曲とも、とてつもなく素晴らしいので紹介させてください!


『デートの日は二度くらいシャワーして出かけたい』
https://www.youtube.com/watch?v=64evz2g7SWo


 作詞作曲はつんく♂。いかにもつんく♂らしいマイナー調で少々複雑なメロディーに、一筋縄では行かない乙女心を乗せた1曲です。具体的には、「デートの日は自分の体臭が気になって仕方ないから、1日に2度くらいシャワーを浴びておきたい」という自信がない女の子の気持ちを表現した楽曲です。

 つんく♂の歌詞というと、ディテールが細かく、"そんな発想、10代の女の子じゃないと絶対に出てこないよ!"的なものが多いことでお馴染みですが、この曲でも気になる表現が登場してきます。

 たとえば、サビに出てくる「学校の帰りに会うのはもう 恥ずかしい」というフレーズ。たしかに学校で1日過ごした後は汗もかいているだろうし、匂いも気になるかもなぁ、なんて想像もできます。そして、もっとすごいのがその後に出てくる「コンビニの後の髪の匂い 気になる」というフレーズ。まず「コンビニの後の髪の匂い」という初めて聞くような言葉の並びからして驚きですが、一体何を意味しているのかさっぱりわからない。"コンビニに髪の毛が臭くなるような要素はあるのか? それとも何かのメタファーなのか?"などと、その解釈についていろいろ議論ができそうです。


『純情cm(センチメートル)』
https://www.youtube.com/watch?v=v4SCOUBKuOc


 前作のシングル『低温火傷』の作曲者である大橋莉子が作詞作曲を担当。歌詞の舞台となるのは、放課後のファミレス。主人公の女の子は、男女の仲間内でいつものようにファミレに行き、そこでまたいつものように「写真撮るよ」と気になる男の子の横にくっついていくのだけど、なかなかその先には進めない......といった内容です。

 夏の曲ということで「半袖の季節 君に近付きたい 微かな香り 纏わせて」というフレーズも登場します。『デートの日〜』と同様、男の子との距離感に悩む乙女心を描いたものですが、『デートの日〜』が匂いを気にする曲なら、『純情cm』はむしろ「微かな香り」を武器にしているのではないか、という解釈も可能です。

 この「微かな香り」が香水的なものなのか、制汗剤的なものなのか、シャンプー的なものなのか、それとも自分の体臭なのか......なんて幅広く妄想するだけで、楽しくなってきます。


『今夜だけ浮かれたかった』
https://www.youtube.com/watch?v=E8Y7QBhU6Co


 作詞は児玉雨子、作曲は中島卓偉。ある覚悟を持って男の子とのデートに臨んだ女の子が主人公です。その覚悟というのは、つまり"ひと夏の経験"ということ。2番冒頭には「誰にでも話せるような 思い出作りはしたくない」というフレーズが出てきますが、この主人公は誰にも言えないような"秘め事"を経験したかったわけです。

 さらに大サビでは「浴衣を着なかった理由」というフレーズも登場。この部分については、"浴衣は着付けが難しいから、もしも服を脱ぐような展開を期待しているのであれば避けたほうがいい"と解釈できるでしょう。メタフォリカルではありますが、そこそこ生々しい"夏・体験物語ソング"となっています。

 ボーイフレンド(彼氏)との距離感に悩むという意味ではほかの2曲とほぼ同じテーマ。さらに歌い出しには「勇気出してつけた香水 火薬の煙に消された」と、ここでもやはり"匂い"に関するフレーズが登場しています。どうやらこのトリプルA面シングルは、"夏の匂い3部作"というコンセプトを持ったシングルだったようです。

 近頃は、男の子目線で一人称が「僕」の楽曲を歌う女性アイドルグループも多いですが、つばきファクトリーの新曲は女の子目線で女の子の複雑な気持ちを描いた3曲となっています。しかも、昨今のアイドルソングに多い"人生の応援ソング"とかでもなく、完璧な恋愛ソングです。それはまさに、昭和の時代から継承されるオーソドックスの女性アイドル像を踏襲するものでもあり、アイドルらしいアイドルを表現することに対するこだわりも感じられます。

 そもそも"アイドル"とは音楽ジャンルではないわけであって、その表現方法は限りなく自由であることは言うまでもないでしょう。しかしながら、表現の幅が広すぎるがゆえに、奇をてらうアイドルグループが増え、"普通じゃないことが普通になっている"という状況があるのも事実。そんななかで原点回帰の王道アイドル路線をひた走るつばきファクトリーは、むしろハードコアな存在として異彩を放っているわけです。

 今回のニューシングルは、ハードコアなアイドルグループとしてのつばきファクトリーを堪能するには、まさに最適な1枚。さらに、極上の"夏・体験物語ソング"を平成最後の夏にぶつけてくるという点にも、何かしらのメッセージを感じざるを得ません。アイドルの多様性が広く認知され始めている今だからこそ、魅力が爆発するつばきファクトリー。この夏は、彼女たちの"夏の匂い"を感じてみましょう!(文◎大塚ナギサ)

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