梁川奈々美というアイドルの4年間 「人間的な成長が必要」だと彼女は語る 逆に聞くけどアナタたちは?
2018年11月06日 Juice=Juice カントリー・ガールズ ノスタルジー ハロプロ 兼任 梁川奈々美 船木結
ファンの度肝を抜いたファースト写真集「Yanaming」
カントリー・ガールズとJuice=Juiceを兼任する"やなみん"こと梁川奈々美が、2019年3月をもって両グループ並びにハロー!プロジェクトを卒業することが発表されました。現在高校2年生であるやなみんは、高校3年生になるタイミングでアイドル活動に区切りをつけ、進学に向けて勉学に励むこととなります。
卒業発表にあたり、やなみんは以下のようなコメントを出しました。
〈ここ1年、自分の将来や現在の活動について考えたりすることが増えました。
改めて自分自身に向き合った結果「アイドル」から離れ、
「梁川奈々美」としての人間的な成長が必要だと感じ、
そのためにも進学したい、という気持ちが大きくなりました。〉
高校2年生にして「人間的な成長が必要」だと感じるなんて、なんと立派なのでしょうか。十代の若者なんてものは、なんとなく時間の流れに身を任せていれば、それなりに成長できるものなのに、自らの意思で「人間的な成長」が必要であるとの思いを抱き、その成長のために決断したやなみん。能動的に進化を遂げようとする姿は最高にかっこいい!
やなみんがハロプロ研修生としてアイドルの道を歩み始めたのは、2015年4月のこと。初舞台は同年5月の「ハロプロ研修生 発表会 2015 〜春の公開実力診断テスト」でした。ハロプロ研修生が研修の成果を見せるべくソロで1曲ずつ披露するというこのイベントで、当時13歳中学2年生のやなみんはJuice=Juiceの『ロマンスの途中』を披露します。のちにJuice=Juiceへ加入することを考えると、運命的な選曲だったと言えるでしょう。
特にそれまで芸能活動をしてきたわけでもないのに、初舞台で『ロマンスの途中』を見事に披露したやなみん。そのパフォーマンスの完成度は、審査員を務めていた元モーニング娘。の高橋愛が絶賛するほどで、現場にいた多くのハロヲタたちは"未来のスター"の誕生を確信したはずです。そして、愛らしい笑顔を振りまきながら、楽しそうに歌い踊る姿と、妙に落ち着いている大人びた語り口とのギャップもまた、ハロヲタたちを虜にしていくのです。
そこから約半年後、やなみんは同じくハロプロ研修生だった船木結とともにカントリー・ガールズの追加メンバーに選出されます。学年的にはやなみんのほうが1つ上ですが、研修生歴では船木のほうが約1年半先輩、というちょっと微妙な関係性の2人は、その後"やなふな"と呼ばれ、絶妙なライバル関係を築いていくこととなります。
【Girls Night Out#2】バレンタイン企画
カントリー山木、梁川・船木 江ノ島後編、萩原舞のエコアクセ後編
そんなやなふなの名場面と言えば、やはり湘南ロケでの一幕でしょう。カントリー・ガールズに加入して間もない2人は、YouTubeの番組『Girls Night Out』のロケ企画で湘南を散策。ロケの最後に船木が「今日は1日どうでしたか?」と聞くと、やなみんは「逆に聞くけど結は?」と間髪入れずに質問で返したのです。
まとめの質問にそのまま質問で返すという禁じ手をさらっと繰り出すやなみんから漂うのは"只者ではない感"。そして、船木に対する負けたくないという強い思い。そういった複雑な要素が絡み合った結果として飛び出した「逆に聞くけど」は、"やなふな"という奇跡のコンビを象徴する名言となりました。
やなみんの名言といえば「ご存じない?」というものもありました。それは、『ポケットモンスター』誕生20周年記念日である2016年2月27日に行われたカントリー・ガールズのリリースイベントでのこと。MCで"ポケモンの進化"についての話題が出ると、ポケモンについて何も知らないメンバーの小関舞が「進化ってなんですか?」と素朴な疑問を投げかけます。すると、ポケモンが大好きなやなみんは「進化というシステムをご存じない?」とあまりにも大人びた言葉遣いで返したのです。愛らしい姿からは想像できない、かしこまったワードが次々と出てくるなんて、こんなに面白くてかわいいアイドルを愛さずにいられるわけがない!
想像を絶するスピードで変化していったアイドル
2017年6月、カントリー・ガールズのプレイングマネージャーである嗣永桃子が芸能界を引退すると、カントリー・ガールズは新体制に移行します。山木梨沙と小関舞は学業を優先しつつカントリー・ガールズとして活動を継続、森戸知沙希はモーニング娘。と兼任、やなみんはJuice=Juiceと兼任、船木はアンジュルムと兼任となります。
Juice=Juiceのメンバーとなったやなみんは、それまでの可愛らしさに加えて、セクシーでクールな一面を魅せるようになっていきます。また、ハロプロ研修生の公開実力診断テストで2度の優勝を誇る実力者・段原瑠々がJuice=Juiceに同時加入したことも、やなみんの負けん気に火をつけたのでしょう。それまではファニーなキャラクターが大きな特徴だったやなみんが、スキルを持ち合わせた完璧なアイドルへとどんどん進化していくのです。
Juice=Juice加入から約2か月後にはワールドツアー、その2か月後には日本武道館公演と、やなみんは着実に経験値を積んでいきます。2018年6月には初の写真集『Yanaming』を発売、鮮烈なビキニ姿はあまりにも衝撃的でした。水着姿披露にあたっては、先にソロ写真集を出していた船木への対抗心もあったとのことで、ここでもまた"やなふな"の関係性が効いてくるのです。
そして、2018年10月29日には自身2度目(Juice=Juiceとしては3度目)の日本武道館公演を成功させますが、その4日後の11月2日、やなみんは卒業を発表します。
カントリー・ガールズ 1st OFFICIAL BOOK
たしかに8月後半頃のやなみんのブログを見ると「実はお勉強でちょっぴり忙しくなります!」などの記述があり、このあたりで何かしらの変化があったことは想像できます。もしかしたら、やなみんはこの時期に、次なるステップへと"進化"を遂げることを決断していたのかもしれません。
カントリー・ガールズやJuice=Juiceのメンバーたちは、やなみんの卒業に対して「寂しい」「もったいない」という感情を抱いたとブログで告白しています。またその一方で、自ら卒業を決断したやなみんに対して「かっこいい」と感じたとも漏らしています。
やなみんの卒業は、本当に寂しいし、もったいないことです。しかし、自ら進化することを選んだやなみんに刺激を受けるハロプロメンバーたちも少なくないはずです。そして、卒業するやなみんと対峙することで、ハロプロメンバーたちもまた、やなみんのように自分を見つめ直すチャンスを得ることができるのではないでしょうか。それは、まさにハロー!プロジェクトが進化するチャンス。やなみんの卒業は、単なる別れではなく、もっと重要な意味を持っているのです。
まるで、自ら卒業を決断することで、すべてのハロメンに対して「逆に聞くけど、アナタは?」と問いかけているかのようなやなみん。これから卒業までの約5か月の間でやなみんは自分を進化させるとともに、ハロー!プロジェクトを進化させるという最後の大仕事に取り掛かろうとしているわけです。
約4年というやなみんのアイドル人生は決して長いものではなかったかもしれませんが、やなみんがもたらした影響は計り知れません。そして、やなみんという稀有なアイドルに影響を受けたハロメンたちは、新たなハロー!プロジェクトを築いていくことでしょう。やなみんが卒業しちゃうのは本当に寂しいことだけど、ハロー!プロジェクトがあり続ける限り、やなみんの遺伝子もハロプロの中にあり続けるのです。フォーエバー、やなみん! やなみんよ、永遠に!(文◎大塚ナギサ)
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