高2で加入し歌もダンスも未経験 何もかもが「異例」だった飯窪春菜がモーニング娘。を今秋で卒業

2018年08月22日 10期 ハロープロジェクト モーニング娘。 卒業 和田彩花 工藤遥 飯窪春菜

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モーニング娘。『ジェラシー ジェラシー』トレカより


 モーニング娘。'18のサブリーダーである飯窪春菜が、今秋のコンサートツアー「モーニング娘。'18コンサートツアー秋~GET SET, GO!~」をもってモーニング娘。'18およびハロー!プロジェクトを卒業することとなりました。卒業後は、ソロとなり芸能活動を継続するとのことです。

 飯窪さんが10期メンバーとしてモーニング娘。に加入したのは2011年9月、当時16歳の高校2年生でした。モーニング娘。の新メンバーというと、小学校6年生〜中学生くらいで加入することが多く、高2での加入はレアケース。また、モーニング娘。のオーディションを受ける前にモデルとして活動歴があるというのも、珍しいパターンだったと言えます。

 当時の飯窪さんは、歌とダンスの経験はなく、パフォーマンスの面ではかなり大変だったようですが、類まれなる外交力とオタク的分野への造詣の深さでめきめきと頭角を現していきます。

 かつて、4期メンバーの石川梨華が「他の事務所のタレントと交流を持ってはいけないと言われていた」と告白したこともありましたが、とにかく外部との接触が少ないのがハロプロです。近年はそんなこともないようですが、それでもやはりハロプロという箱庭の中で活動が完結することが多いなか、飯窪さんは中川翔子、南波志帆、最上もがなどといった他事務所のみなさんとも交流を深めて行き、ブログではたびたび芸能界のお友達と遊びに行った様子を報告しているのです。

 そのコミュニケーション能力はもちろんハロプロ内でも発揮。現ハロプロリーダーであるアンジュルムの和田彩花は、モーニング娘。加入間もない飯窪さんに即陥落。当時はどちらかといえば掴みどころがなく、メンバーとベタベタするようなことがなかった和田さんが、あっという間に飯窪さんと親友関係となった事実に、多くのハロヲタは度肝を抜かれたものです。

 メンバーや芸能界の友人たちの飯窪さん評は、とにかく「純粋」といったものが多く、オーディション時もつんく♂に「ピュアな性格」などと評されています。そういった性格ゆえか、あらゆる人を褒め倒す"太鼓持ちアイドル"というキャラを押し出していた時期もありました。

 かといって、いわゆるブリッ子的な純粋さというわけではなく、ラジオでさらっと「イケメンが大好き」と話したり、自分の胸の小ささを自虐的にイジったりと、ファンの幻想にそのまま応えるタイプでもないのもまた特徴的です。アイドルという仮面をかぶるのではなく、あくまでもナチュラルであり続けるがゆえににじみ出てくる純粋さというものは、本当に貴重だったといえるでしょう。

 今回の卒業発表について、飯窪さんを選んだ張本人であるつんく♂はツイッターでこうつぶやいています。

〈飯窪の卒業はまだ少し勿体無い気もするが、飯窪の立場で考えたらベストのタイミングとも言える。あの子のセンスは大人の知ってる過去の何かに当て込んで理解するのは無理なんで周り気にすることなく自己流でチャレンジしてって欲しいね。〉

 飯窪さんはまだモーニング娘。に必要なのではないか......という気持ちをにじませつつも、飯窪さんのパーソナリティーを最大限に尊重するコメントから、つんく♂がいかに飯窪さんを高く評価していたかがうかがえます。


002.jpg10期のお姉さん的存在だった飯窪さん


 幼い頃からハロプロに入り、ハロプロの中で純粋培養されてきたメンバーが多いなかで、モデルとしての活動を経験し、さらに普通の高校生活も経験したうえでハロプロに入ってきた飯窪さんは、それだけで異質な存在であるとともに、重要な人物であったといえます。そういった人材がモーニング娘。に入ったことで、確実に外に向けた発信力は高まったはずであり、モーニング娘。だけでなくハロプロを含めた周囲のメンバーたちへの影響力も少なくなかったことでしょう。それこそ、ハロプロ純粋培養である和田彩花が率いるアンジュルムのメンバーたちが伸び伸びと自由に活動しているのも、あやちょがはるなんの影響を受けたからなのではないか?──とそんなことすら想像できます。

 アイドル的なそれではなく、リアルな純粋さで愛されている飯窪さんなのだから、卒業してもお仕事は順調に進むことでしょう。むしろ飯窪さんがいなくなることで、危機感を抱くのはモーニング娘。のほうかもしれない。歌やダンスは努力によって上達できますが、純粋さは努力で身につくものではありません。飯窪さんの穴を埋めようと思っても、そう簡単なことではないのです。

 かといって、メンバーが卒業してもどうにかこうにか進んでいくしかないのがモーニング娘。というやつでして、それはもうどうしようもないことなんですが、飯窪さんが稀有で重要な存在であるということだけは、いま一度強調しておきたいと思います。そして、モーニング娘。にとって飯窪さんの卒業は大きな損失であることは間違いありませんが、裏を返せば卒業後にテレビの世界で売れまくる飯窪さんが、いろいろな番組でモーニング娘。やハロー!プロジェクトの魅力を伝えてくれるかもしれないという可能性もあるわけです。

 ある意味、ハロプロの未来を背負っている飯窪さん。来年の今頃はバラエティー番組に出まくっているはずです。ハロヲタ以外のみなさんもどうぞ覚えておいてください!(文◎大塚ナギサ)

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