突然ですが、うまいラーメン屋は数あれど、定期的に通うまでに至るラーメン屋ってあまりないですよね。
「いや、ある!」というラーメン狂の方はブラウザをそっと閉じていただくとして、「ラーメンは好きだけど、並ぶの面倒だし、敷居が高いと敬遠しちゃうよね」というライトなラーメン好きの方にこそオススメしたいのが、渋谷の『喜楽』です。
数多くのラーメン屋が軒を連ねる渋谷において創業から60年以上と、不動の地位を築いているのがここ『喜楽』。隣の「18禁」の看板が煌々と輝いている横で、ありえないくらいひっそりと佇んでいます。この必要以上に目立たない感じも信用できますね。
写真でもわかる通り、常に店先には入店待ちの列ができていますが、一階のカウンター席の他に二階席もあり、回転がいいので4~5人くらいの列であれば10分も経たずに入れます。
この日も着いてすぐ入店に成功。カウンターの目の前は厨房で、店員さんが手際よく中華鍋をふるう姿を見ているだけでも食欲が湧いてきます。
「超」がつくほどの老舗にもかかわらず内装も綺麗ですし、決して敷居が高いわけではないのですが、さすがにカウンターでは雑談したりスマホをいじる人はおらず、じっと自分の注文を待っている方がほとんどです。
多少しゃべったところで「出ていけ!」なんて言うような頑固な店主はいないのでしょうが、待ち時間ですら楽しめるのは名店の証なのではないか、なんて思いつつ。
そんな静謐な雰囲気にやられてか、変な角度から無理やり写真を撮ってしまいましたが、メニューはこんな感じです。裏には餃子やらザーサイやらピータンやらもあり、ちょい呑みにも適した感じ。(まったり呑んでる人はあまり見かけないですが)
どれを食べてもきっと美味しいので、気分で選んでもらって全然良いと思いますが、この日は「もやし麺」を注文。
どうですか!? この輝かしいビジュアル!僕は普段、食べ物の写真を撮らないのですが、この写真は思わずSNSに上げてしまいました。
この「もやし麺」、大量のシャキシャキもやしだけでなく、細切りの人参と青ネギも載っています。スープはあっさりとしながらもコクのある上品な鶏ガラベース。細かく刻まれた焦がしネギの食感もたまりません。麺は中太麺で歯ごたえも◎。あっさりですが、ちゃんとお腹も満たされます。
前日にやや深酒したこともあり、スープが異常なまでに体に染みます。飲酒の後にラーメンが旨く感じるのはグルタミン酸がどうの...なんていうアカデミックな話はさておいて、旨いもんは旨いんです!!
取り憑かれたかのように麺を啜り、ものの5分くらいでスープも含めて完食。ラーメン狂でない僕ですら週一で通いたくなるようなラーメン。それが『喜楽』。
「行列のできるラーメン屋」アレルギーの方は数多いと思いますが、そんな方にこそ、ぜひ一度ご賞味いただきたい。気づけば常連になってしまっている......という不思議な魅力に溢れたラーメン屋です。
文◎マツマル(LOFT9 Shibuya)
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