RIZIN公式ホームページより
かつてのK-1とPRIDEの戦いを見ているようです。こうなるとK-1のエース武尊選手と那須川天心選手との交戦はないのかな、ガッカリ感を持ってみています。ボクシングがあれほど盛り上がっているのは団体の垣根を越えて「どちらが強いんだ」という客の欲求にこたえているからです。これぞ「プロ」。UFCにしてもそうです。
日本の格闘技がタコツボ化している、これはこれで選手たちには罪はありません。
それにも関わらず、RIZINの7.29日大会はさいたまスーパーアリーナの客は満員に見えました。
メインは大晦日にスター・RENAを手堅いタックルバックマウントを取って完璧なチョークでRENAを失神させた浅倉カンナと、RENAのリベンジ劇という図式。図らずも、両者が試合前に口撃。これもネットを中心に盛り上がっていきました。K-1もそうですが、「ツイッターでやり合った後に記者会見上で喧嘩」が、ネットで盛り上がり、それがリング上に持ち込まれて客の動員につながっている気がします。見ている側としては、面白いですし、プロなら盛り上げるのも役目の一つ。どんどんやって頂きたいです。
僕は五味典選手が入場曲「SCARY」で出場している時点で、「五味、カッコいいな」と感激しました。プロは入場シーンも含めて「見せる」事が必要です。勝ちっぷりも殴り合って勝つという五味やファンにとっては最高の形でした。
サブも女子同士の戦い。レスリング世界大三連覇山本美憂選手とMMAのベテラン石岡沙織選手との闘いも一進一退の攻防。判定で山本美憂が勝ちましたが、お互い、攻めての結果でしたから満足でした。
メインは黒いコスチュームのRENA。黒と言えば蝶野正洋。蝶野正洋の入場曲からの、やはり「絶対負けない」に曲が変わって、で入場。絵になります。
チャンピオン朝倉カンナ選手はRENA選手と対照的。淡々と入場。あまりパフォーマンス得意ではないのでしょう。
試合は朝倉カンナがタックルを狙い、また関節も極めかけながらも、逃げるRENA。最終ラウンドでは何発かRENAのパンチを浅倉カンナが貰っていたと思いますが、RENAのMMAの対応が練習通りか、それ以上に出た試合だったでしょう。朝倉カンナは終始攻めていましたが極めきれなかった印象です。が、常に攻めていたのは朝倉カンナ選手。判定では3-0で浅倉選手がRENAを返り討ち。
両者に拍手を送りたいです。
で、当然メイン。そして生中継でしたから、朝倉カンナ選手のインタビューを客としては聞きたい訳です。すると、途中に、本当に途中でぶった斬られCMに変換。これは「あら?」と脱力しました。
そもそも煽りVの時点でRENAの割合が多かった気がしました。RENAのリベンジが成功すれば、これはこれで盛り上がるでしょうから。両者とも頑張ってもらいたい僕としては、正直運営側の意図が透けてみえました。まあ、格闘技の試合では致し方ない事ではあるんですけどね。「運営が推す」問題は。
しかし、プロ野球の試合なら延長になって終わった場合、後の番組が押しているのだから途中、ヒーローインタビューの最中、終わりのあたりでアナウンサーが「インタビュー途中ですが、このあたりで失礼します」と言います。それで視聴者は「聞きたかったけど試合が長かったからしょうがないか」と納得する訳です。
が、今回の浅倉カンナ選手のインタビューはアナウンスもなく、いきなりCMに変わったものですから違和感を抱いた視聴者も多いのではないでしょうか。雑です。
これがRENA選手の勝利者インタビューでも同様だったとは思います。再度言いますが雑です。生中継とは言え、スポンサーが大切だとは言え、メインの試合の勝利者インタビューが途中でぶった切られる、しかもアナウンスも無しに。
日本ではMMAはまだまだ順位としては、低いんだなあと、感じた一瞬でした。(文・久田将義)
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