ワイドショーの手の平返しがヒドい 日大アメフト部宮川選手復活 記者会見での失礼な質問の数々をお忘れか

2018年10月05日 リポーター ワイドショー 宮川選手 復活 日大アメフト部

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  宮川選手、何て礼儀正しいのでしょう。報道陣に深々とお次期なんかしなくて良いのですよ。半年前、テレビレポーターが明らかに貴方を見世物として扱ったのを本サイトは覚えています。

 宮川選手の謝罪会見は、たった一人で臨みました。弁護士が傍らに付いていました。

 その弁護士が、まずはじめにマスコミにお願いしたのは、宮川選手の将来をおもんばかっての「お願い」でした。

「長い将来がある若者。ご配慮いただいて、ずっとアップで撮影する事は避けて頂いて、ご配慮いただきたい」と発言。この弁護士は心温かい人なのでしょう。

 しかし、それは無視されました。確認した中では、放送していたワイドショー各局「グッディ!」「ミヤネ屋」「ゴゴスマ」はドアップでずっと映していました。

 晒し者でした。

 この会見での主旨は
「内田前監督の指示で井上コーチが宮川選手の悪質タックルをせざるを得なかった、その命令系統」です。

 その主旨を理解せず、とにかく「良い画」を撮ろうと、リポーター達はノイジーな質問をします。

 ここからは、当時の本サイトの記事を抜粋していきます。

【・「スッキリ」の「オオタケさん」。質問に宮川選手が答えている最中に遮りました。

・「ニュースZERO」の「コマサさん」。「自身にとってアメフトはどういう存在なのでしょうか」。これはこの記者会見の主旨と関係ないノイズですね。主旨は「真実」と責任の所在をはっきりさせる事なはずです。
 ちなみにこの人だけでなく、主催が「一問一答で」は無視で三問くらい質問していました。

・「よみうりテレビ」の「ハルカワさん」。「関学側が許して、アメフトやってくれよと言ったらやった方がいいんじゃないですか」というデリカシーのない質問。「今はそんな事は考えられないです」と宮川選手は即答。

・「ゴゴスマ」の「オクダイラさん」。「退部の意志は伝えています」と言った宮川選手に「新監督も含めて、新チームのメンバーについて一言」と答えようもない質問。宮川選手「それは僕の方から言う事ではないと思うので。すみません」。

・「モーニングショー」の「オカヤスさん」。「違反行為をしない選択肢はありましたか」。宮川選手「追い詰められていたのでやらないという選択肢はなかったです」に「今思ってもやっていたという事になる訳ですね」と畳み込む「オカヤスさん」。黙り込む宮川選手に代わり、弁護士がさすがに「仮定の質問は」と割って入りました。

・「グッディ!」の「ヒロセさん」。「アメフトの指導について」。宮川選手「指導する側は、さきほどから言っているように僕がどうこう言う問題ではないです」何度も同じ返答。

・「ビビット」の「ショウジさん」。「あのタックルは暴力だったと関学のコメントに対して。あれは暴力なのかと思いますか」。弁護士に「これは刑事事件の要素があるので」と遮られます。さらに「日大アメフトにとって内田監督が辞任したのはチームが良くなると思いますか」というこの会見の主旨とは全くそぐわない質問。宮川選手「僕がこの場に来たのは謝罪をするため、真実を語るために来たのです。僕の口から言う事ではないと思います」。】

 宮川選手はこのような「ノイズ」にじっと耐えました。とても20歳(当時)の学生の対応とは思えないほど、潔く、立派でした。が、リポーター達はそんな事はどうでも良かったに違いありません。

 なぜなら最後の光景が異常だったからです。読者の皆さんには記憶にとどめて置いて頂ければと思います。

 弁護士が声を震わせて、宮川選手のご両親の言葉を読み上げます。

「どうか取材の皆様には将来に向かって歩もうとしていている本人の今後を静かに見守って下さるよう心からお願い申し上げます」。そういう主旨でした。

 弁護士が声を震わせながら読んだ、ご両親の心の叫びをどう聞いていたのか、言った先から退場する宮川選手に男性の声で、

「宮川さん! 宮川さん!」

 と声をかけていた愚かなリポーターがいました。
 20歳の学生が一人で初めて、記者会見に耐えた後、退席していく中、何を勘違いしているのでしょう。社会人より学生の方が大人でした。それが露呈されました。

 幸いにも日大アメフト部の選手たち、監督、スタッフは温かく迎えいれたのでしょう。宮川選手の表情は半年前とは全く違う、明るいスポーツマンの顔になっていました。

 私事で恐縮ですが、自分がやっていた、ラグビーで言いますと、高校時代のチームメイトは家族、大学時代は親友と言う人がいます。きっと「親友」とともに宮川選手のアメフト人生は「ここから」始まっていくに違いありません。そして「大人の宮川選手」は「子供のテレビカメラ」に向かって深々と頭を下げました。(文◎久田将義)

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