なぜ、出るひと出るひと、おかしな人ばかりなのか。日本大学はヘンな人たちのみで運営されているのか。そう思った人も多いのではないでしょうか。
もう、お忘れかも知れませんが、内田正人前監督が(この人に関しては別に記事を設けます)、一番最初に空港で会見を開いた際、謝罪に行く相手の名前をずっと間違えていました。関西学院大学、「かんせいがくいんだいがく」を終始、「かんさいがくいんだいがく」と連呼。
例えば、僕などが政治家に謝罪に行く時にずっと名前を間違えていたら「抹殺するぞ!」と怒鳴られていた事でしょう(連載「偉そうにしないでください」参照http://tablo.jp/serialization/hisada/news002534.html)。
さて、日大運営幹部のおかしな面々は、と言いますか、おかしな人しか出て来なかったので、チェックしていきます。
「石井常務理事と大里常務理事」
「おかしな人」と言うと、当然、日大で急遽行われた記者会見の米倉氏の司会を想起する人が多いでしょうが、スポーツ庁に事情聴取された二人の常任理事が実は、もっとも気持ち悪いと僕は感じました。
鈴木大地長官の聴取後、記者からの囲み取材に対し、二人の理事の空気感たるや異様でした。
記者の質問に対し、石井常務理事は口を開く気配もなく、ゆっくりと大里常務理事に首を向けます。「君が答えなさい」とばかりでした。
大里常務理事は「......すみません。本日は」という意味不明な事を言って頭を下げます。
さらに記者の質問に対し、またも石井常務理事は、ゆっくり大里常務理事に顔を向けます。「ほら、君が答えるんだよ」というように。
またも大里常任理事は「もう、本当にすみません......はい」というような返答をするのですが、これは大人のすることでしょうか。
責任のなすりつけをする石井常務理事と、答えすらできない大里常務理事(答えたくなかったら「ノーコメントにさせてください」のほうがまだマシ)。そして、その二人の関係性が、ワンマン社長と部下そのものでした。
日大のホームページに常務理事五人の紹介が掲載されていますが、一番上に石井進常務理事、二番目に内田正人常務理事、最後に大里常務理事の順番です。筆頭常務理事が石井氏だった事が分かります。
とは言え、常務理事という同等の立場なはずです。これほどまでに上下関係がいびつだと、理事会は理事長と筆頭常務理事とナンバー2の内田理事によって仕切られてているのだなと思わざるを得ません。恐らく、田中理事長と内田理事の体育会系師弟。そして学者であり教育者代表として石井理事によって、日大の予算、人事が決められていくと思われます。
「米倉久邦広報担当」
この人の司会ぶりは子供の喧嘩みたいで、笑ってしまいましたが、記者の質問も確かに堂々巡りのところもありました。
しかし、米倉氏の対応が「もう(質問を)やめてください」「や・め・て・く・だ・さ・い」みたいな事を言うからあれほど叩かれるのです。昔のオウム事件の横山弁護士を覚えている方はいらっしゃるでしょうか。「やめてぇー」という絶叫。あれと同じような「や・め・て・く・だ・さ・い」でした。
広報なら一歩引いた態度の方が、逆に、対記者に関しては記者の質の低さを露呈出来たかも知れないのを考えると、「惜しい人」なのかも知れません。
「井上コーチ」
過去のゲイビデオ出演疑惑などが騒がしいですが、この人はまだ30歳。人生経験も社会人経験も不足です。会見では、その経験不足が露呈しましたが、隣に絶対上司の内田氏がいるのですから、生きた心地がしなかったでしょう。
この人も「体育会系の闇」を抱えているのだなと感じたのは、内田氏が空で記者たちのカメラに囲まれた時、「通ります!」とガードマンさながらに、内田氏の前後ではりきっている様子でした。
これは「内田氏の側近は俺」をアピールしているかのようで、また「親分をガードしている自分」に自己陶酔しているかのようでもあり、「ああ、可哀そうに」と動画をチェックしているところであります。
体育会の闇と表現したのは、日大はもしかしたら、ひと昔前の体育会、「スポーツだけやっていれば良い」「スポーツで良い就職が出来る」というタコツボ化社会なのではないかと思った点です。
僕がラグビー部の頃も、そういう風潮がありました。ショックだったのはあれほど、練習をしても、イギリスのケンブリッジ大学、オックスフォード大学のラグビー部に勝てなかった事です。彼らは卒業後、弁護士や医者になります。
が、当時の日本の体育会は一流企業に例え入社したとしても、人数が多かったので二部卒業だったりします。なので、引退時期の30代で閑職に追いやられているケースが多々ありました。体育会の在り方を見直した方が良いのではないか、とまだ十代だった僕は痛感しました。
現在は、そうではなく、人間育成にも力を入れ、社会人としても会社人としても通じるスポーツマンを育てている大学がほとんどなはずです。しかし、日大アメフト部は未だに、スポーツだけやっていれば良いという風潮があるのではないか。井上コーチからそれを感じました。
さて、メディアに露出してきた人々で日大の幹部(幹部でない井上氏除く)は、全て「ヘンな人たち」ばかりでした。教育現場は教授たちが司る訳ですが、法人としての大学の運営は理事が仕切ります。彼ら運営・理事は皆、ある一定の方向を向いているのが推察できます。
すなわち、内田正人前監督兼常務理事であり、その向こう側にいる日大トップの田中英壽理事長です。日大のキャッチフレーズに「あなたともに、100万人の仲間ともに」があります。その100万人の現在のトップが田中英壽理事長です。
英寿を英壽と改名しているのも稼業名の影響かと思うほどで、検索すると三番目に「山口組」と出てきてしまいました(写真参照)。
怖いです。
相撲部出身の田中理事長の次の理事長と言われている内田氏に忖度しているからこそ、日大の運営幹部はヘンな言動になってしまったとしたら、「この大学、大丈夫か」と学生や親御さん達が心配になるのも無理はありません。
田中理事長の店。相撲関係者が田中理事長をガードしているようです
田中理事長の言葉が日大のホームページに掲載されています。
『苦しいときこそ「元気・勇気・笑顔」を忘れずに前進してください。これからの日本を担う人材を日本大学は育ててまいります』
今が一番「苦しいとき」だとしたら、「元気・勇気・笑顔」だそうです。ずいぶん、お気軽です。(文◎久田将義)
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