日大アメフト部・内田前監督と井上コーチの異様な記者会見　黒幕は田中理事長では｜久田将義

　僕は予言ツイートしていました。

「まさか、つぶせというのは怪我させろという意味ではないとは言わないでしょうね」と。

　しかし、内田前監督と井上コーチは「これ」を言ってしまいました。というか「本当に言うんだ」と僕はあきれました。言い訳はこれしかないでしょう。しかし、これを貫き通すと、宮川選手の言い分と真っ向対決。関学からの提訴が予想されますが、宮川選手のご両親からも提訴される事があり得るのではないでしょうか。
　どちらが嘘を言っている事になり、それはもっとも、双方にとっても望ましくない泥仕合の状況だったはずです。

　宮川選手の「井上コーチから出来なかったらわかってるなと言われた」。そして内田監督からは「やらなきゃ意味ないよ」。
　これについて「記憶にない」を連発。
　見ててイライラするのが、内田監督の「グラウンドで起きた事は私の責任」を繰り返す点。一見男らしい事を言うのがイラっとするのです。
　それは男らしさではないです。男らしさとは、自分の過ち認め、真正面から向き合う事です。それがとてもご自身のプライドを傷つけるものであっても。

　今回の会見のキモは「宮川選手の会見の裏付け」になります。それ以外はノイズです。ノイズを摘出してみますと、内田監督が肝心の「指示」については、「記憶がない」のと「一般論」に逃げてしまうのです。ほとんどというか、全て、彼の返答はノイズでした。内田監督のノイズはこの会見に出席した記者をイライラさせました。

　また「四年生が頑張ってくれたので甲子園で優勝できた。彼らが卒業して二年から三年になる途中でプレッシャーになったのでは」と、まるで宮川選手の気持ちが弱いと言っているかのような発言。
　「記憶にない」「指示していない」に続き、前記したように「四年生が」を連発。つまり、一般論に広げて逃げてしまうのです。プレッシャーは誰でもあるでしょう。だとしても、なぜあのような危険タックルをするのか、結びつきません。

写真はイメージです

　前回の記事でも書きましたが、僕は元ラグビー選手の立場から再度断言しますが、あり得ないです。レイトタックルという反則になりますが、レイト過ぎます。絶対ないです。10m走って後ろからのタックルは。2秒は問題ではない。距離の問題です。

　しかし、文春デジタルで内田前監督が「宮川はよくやったと思いますよ。そうじゃないと勝てないでしょ」と試合後に発言した録音データが公開されました。
　23日の会見内容と全く違います。これは刑事事件になる際、かなりの強い材料になるでしょう。

　また、この会見の異常さに輪をかけたのが、日大関係者の司会者。記者の質問を強引に遮り、記者が「こちらは会見を開くと言うから来ているのに質問をさせないのはどういう事か」と抗議するも「終わります。終わります」と聞く耳を持ちません。「内田監督に(続けるか)聞いてみましょうよ」と記者。
　なぜ、このような異様な会見になったのでしょうか。日大は「何を守りたい」のでしょうか。宮川選手の真摯で男らしい会見に世間は心を打たれました。それと比較すると、どうにも話になりません。

　僕は内田前監督が常務理事である事に遠因があり、さらに黒幕は現理事長の田中英壽氏だと思っています。大学ぐるみで内田前監督の「犯罪」を隠すのは、日大7万人の学生の、そして付属校を加えれば10万人の頂点に立つ自分にまで被害が及ぶのことを避けたいのでしょう。田中理事長の黒い交際疑惑は以前から囁かれていました。そういう人物です。

　田中理事長の思惑がこの騒動について、大きな役割を果たしているのではないかと思っています。また、日大は24日に文章で関学に回答を出すという事ですのでこれを受けて関学が会見を開くのかも注目していきたいと思います。　(文◎久田将義)