裏事情を知ると穏やかな気持になります
葬式の香典から思わぬ「ニセ札」が見つかったことがタイのSNSで話題となっています。
葬式が執り行われたのは1月19日、タイ中部アントーン県の寺でした。85歳女性の葬儀には多くの参列者が訪れ封筒に入れた香典を差し出して行ったのですが、式が終わり、親族が香典の金額を数える作業をしていたところ、水色の封筒から思わぬモノが出て来たのです。
ニセ札。
...と言っていいものかどうか。子供の玩具のお札、いわゆる子供銀行券が入った封筒があったのです。しかも3通も。2通は1,000バーツ札(約3,400円)、もう1通は500バーツ札(約1,700円)でした。
封筒には名前が書かれていましたが、親族の誰も心当たりのない名前でした。しかし親族は誰もがとくに怒るでもなく、きっと葬儀に来たかったもののお金がなかったのだろうと考え、笑い話としてとらえたとのことです。そこで各自が写真を撮り自分のfacebookに投稿したことでタイのネット上で話題となったのでした。
わざわざ子供銀行券を入れなくても中身が空の封筒で出しても良かったのにと思わなくもありません。そんなところに良心の呵責が多少感じられる気もします。
タイの子供銀行券が面白い
ところで子供銀行券はタイでは「ガモー札」と呼ばれているのですが、この名称の由来はなんと日本にあるのです。
日本と同様にタイでも子供銀行券の図柄は昔からアニメや特撮ヒーローがあしらわれてきました。そういったキャラクターは当時から必然的に日本のものが主流となっていました。
『スペクトルマン』という特撮ヒーロー物をご存知でしょうか。日本では1970~71年に放送されたので50代のおじさん世代には懐かしい方が多いかと思います。敵の宇宙猿人ゴリがいい味を出していたあのシリーズです。
あの『スペクトルマン』が海を渡ってタイでも放送されていたのでした。しかしこのタイトルは長すぎるためかタイでは主人公「蒲生譲二」の名前から取って『ガモー』というタイトルに改題されたのです。
そしてスペクトルマン、いや、ガモーが図柄となった子供銀行券がタイ全土の駄菓子屋(かどうか知りませんが)で販売されると、いつしか「ガモー札」と呼ばれるようになり、それがそのまま現在まで子供銀行券の呼び名として使われているのです。
親日国として知られるタイですが、こんな意外なところにも日本の影響があるとはちょっぴり嬉しくなります。(取材・文◎赤熊賢)
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