大音量の音楽とともに火葬場で踊る女性たち
タイで今、とある火葬式の場で撮影された動画がSNSで大批判を浴びています。黒い喪服姿の若い女性らが映っているのですが、なんと火葬場の前で大音響のダンスミュージックを流し、曲に合わせて腰をセクシーにくねらせながら踊っているのです。
ダンスミュージックは火葬場前に停められた車のスピーカーから流されています。踊っているのは恐らくセクシーダンサーの仕事をしている女性らで、亡くなったのも同僚女性と見られると報じられました。
SNS上では火葬式は死を悼む場であり、寺の境内でもあるので、このような振る舞いは不適切だと批判する声がほとんどとなっています。この動画を掲載したfacebookページのコメント欄にも批判コメントが溢れています。
「だったら売春婦の友達が死んだら火葬場の前でヤルのかよ。寺もなんで好き勝手にやらせるんだ?」
「あんたらは友達が死んで嬉しいように見えるんだけど」
「お前らの友達は天国に召されるところだったのに、お前らが踊って送るもんだから閻魔大王が地獄に引き込んだ」
...となかなか辛辣な批判がずらり。
しかしこの動画、実は最初は1月にSNSに投稿されていたものなのです。それが今になってSNSに再投稿されたのでした。1月にもやはり相当な批判を浴びたため、当事者のセクシーダンスを踊っていた女性の一人がマスコミの取材に答えていました。
それによると、動画が撮影されたこの火葬場はタイ南部スラタニー県の寺で、踊っている女性らはタイ南部ご当地で有名な(自称ですが)セクシーダンス・グループ「Power Dance」のメンバーらだとのことです。火葬に付された亡くなった女性もこのグループの一員でした。
なんでも直線道路をバイクで走行していたところ、ガソリンスタンドを出て逆走してきた車に衝突されて亡くなったというのです。
ダンスグループで一緒だったメンバーらは話し合ってセクシーダンスで弔うことになりました。その理由は亡くなった女性が祈祷師に憑依して「まだどこにも行かずに友達を待っている。友達はもうすぐ来る」と訴えたからだとか。このあたりは少々眉唾モノですが、セクシーダンスを踊ることは事前に寺に話を通して、肌の露出の多い恰好はしないという条件付きで許可を貰っていたそうです。
取材に答えた女性は、セクシーダンサー業は世間から良くない目で見られがちなのは承知の上で、真面目にプロとしてやっていると語っています。亡くなった女性もきっと同じ気持ちだったのでしょう。
動画をよく見ると、彼女たちは泣きながら踊っていることが判ります
そこまで真剣にセクシーダンサーをやってきた仲間内なら、こういう弔い方はあってもいいのかもしれませんね。ここまで事情を知ると、あまりの大批判は可哀想な気もします。グループのメンバーには亡くなった女性の分も好きなセクシーダンサー業で強く生きていってほしいものです。(取材・文◎赤熊賢)
彼女たちのセクシーダンス動画
https://www.facebook.com/kodhere18/videos/1968827053138941/
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