関西では、やしきたかじんと上沼恵美子が視聴率の帝王として君臨しているが、その座を虎視眈々と狙い続ける熟女漫才コンビがいる。テレビや劇場で漫才を披露すれば爆笑をかっさらい、司会を担当する番組ではスムーズな進行をみせ、グルメリポーターもソツなくこなす。そんな熟女漫才コンビのツッコミ担当Xに、よからぬ噂が流れている。証言するのは大阪の番組制作会社のスタッフだ。
「マネージャー男性に対するセクハラとパワハラがひどいと噂されています。また、ある一件によって、担当マネージャーが退社したという話もあるほどです」
中堅の売れっ子芸人とはいえ、逆セクハラが事実であれば大問題だ。ことのはじまりは、コンビが海外へ訪れた初日。Xは海外到着と同時に女性に付き物の"のっぴきならない"生理現象に見舞われた。日本ならば、近くのコンビニで用を済ますが、そこは海外。ドラッグストアらしきショップに立ち寄ったところで、それらしきモノは見当たらない。
ロケでは、海にも入れば、船に乗って魚釣りをするコーナーもある。さて、どうすればいいのか......と、Xは悩んだ挙句、恥をしのんで、ホテルの女性従業員にカタコトの英語で話しかけた。
「タ○ンポン ハ ドコニ ウッテマスカ?」
言葉は違えど、女性の"のっぴきならない"生理現象は万国共通だったらしく、すぐに女性従業員は自分が愛用していた"モノ"を差し出したという。
「ありがとう! ほんまに、ありがとう!!」
さっそくXは女性従業員から譲り受けた"モノ"で当座をしのぎ、お笑い芸人らしい海外ロケを思う存分こなしたという。そして、事件はその夜に発生する。
「ちょっとな......。アンタにお願いがあるんやけど、部屋に来てくれへんか?」
当時、この熟女漫才コンビのマネージャーをしていた男性Aは、いつもの様子と違い気弱な声で電話をしてきたXが気になり、すぐに部屋へ駆けつけたという。
男性Aは部屋のドアをあけると、異常な光景を目にする。バスローブを着たXが、ベッドの端に腰を掛け、ワナワナと震える手でタバコを吸っていたというのだ。
「お願いがあんねん」
「なんですか?」
「タ○ンポンを、取ってほしいねん」
「......は?」
どうやら、外国製の"モノ"は予想以上に吸収力があるらしく、自分ひとりの力ではどうすることもできなかったらしい。プライドの高いXは、それでもなんとかしようと、文字通り、あの手この手で"モノ"を取り出そうとしたが、どうにもならない。そこで、男性Aに電話をしたのだ。
タレントのお願いは絶対である。このまま明日のロケをさせる訳にはいかない。おそらく、そう考えた男性Aはそっとシャツをまくった。
「じゃあ、こちらに向けてください」
この逆セクハラ事件の話を、男性Aに聞いたという制作会社のスタッフは次のように話す。
「そら嫌やったーって言うてましたで。なんせ、かなり奥のほうでデカなっとったから、手首まで入るんとちゃうか? っていうぐらい突っ込んで、なんとか取り出したって言うてましたわ。男は、あんまり女のそういうところは見たないからね」
熟女の色気をまとっているとはいえ、やはり血生臭いところに手を突っ込むのは男性にとって、かなりの苦行ではないだろうか。男性Aの気持ちを想像するだけで耐え難い気持ちになる。そして、その関係者の話によれば、男性AはXから手を引き抜いたあと、涙を流しながら何度も手を洗い、まもなく業界からも足を洗ってしまったという話だ。
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Written by 村上茜丸
Photo by marin
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