沖縄ブームが起きた。沖縄出身の東京在住の人に聞くとそれは安室奈美恵、SPEEDらが世に出てからだという。世界ボクシング殿堂入りが確実視されるプロボクサー具志堅用高の時代ではなかったらしい。五十代の沖縄出身者(男性)に聞くと、具志堅氏が活躍していた時代は。方言や沖縄独特の食事、例えばゴーヤチャンプルなどについて「変な物を食べてる」とイジメを受けたのだという。
「だから最近といえば最近だよ。沖縄出身て胸を張っていけたのは」と前出の沖縄出身の五十代の男性は言う。現在を生きている我々世代では想像もつかないが。昭和はそういう時代があったのだという。
最近とは、安室奈美恵やSUPER MONKY`SやSPEEDが東京で活躍した1990年代だ。現在では沖縄出身の女優、俳優、ミュージシャンは綺羅星のごとくであり「差別」など考えられない。安室奈美恵は沖縄出身者にとって希望の星だったのだ。東京出身者にはわからない気持ちだろう。
所属事務所ライジングはバーニング系であり、DA PUNPという歌って踊れてルックスも良いユニットがデビュー。当然、ジャニーズ事務所とバッティングし犬猿の仲だった(現在はそうでもない)。芸能界が殺伐としていた時期だった。
安室奈美恵はそのような、外の雑音には気にせず自分のパフォーマンスを磨いていった。悲劇も襲った。それを忘れまいと、タトゥーに彫った(タトゥー反対論者らはこのことを考えて頂きたい)。
40歳になった現在でもダンス、歌唱力すべてが一級品だ。ジャネット・ジャクソンのように日本を代表するディーバになるのだと思っていた。ディーバが一時、安易に使われていたが安室奈美恵はディーバの称号にふさわしい。
あの歌とダンスが見られなくなるのは寂しい。ファンの思いもそうだが、昭和の沖縄出身者にとっての希望だったことも忘れてはならない(編集部)
《参考資料》namie amuro LIVE STYLE 2016-2017 [DVD] ( エイベックス・エンタテインメント(株))
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