2年間タダ働き!? アイドルが運営を不当契約で訴えた事務所「デートピア」とは?

2017年11月22日 アイドル デートピア 未払

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アイドルの運営とメンバーは一心同体。夢のステージを目指し、二人三脚で歩みを進めなければなりません。そんな中、アイドルのメンバーが運営を訴えるという前代未聞の事件が起きました。

訴えたのは、「虹色fanふぁーれ」の元メンバー4人。所属事務所に不当な契約を結ばされたとして、契約解除と未払賃金約410万円の支払い求め、東京地裁に訴えました。

虹色fanふぁーれは、2015年10月にデビュー。その後2年間、ライブ出演や物販などをしていました。賃金は毎月3万8000円で事務所と契約しましたが、同額のレッスン費を差し引かれていて、一部の交通費を除いて報酬の支払いは一切ありませんでした。契約期間は5年間でした。

不審に思ったメンバーが「他のプロダクションに移りたい」と申し出ましたが、事務所側からは「契約期間の5年が過ぎた後も2年間は芸能活動が一切できない」と返答され、契約解除が出来ず仕舞い。メンバーは今年8月に辞めたい旨を伝えましたが「全力で潰すぞ」と言われ、4人は今年9月にグループを卒業。現在、仕事を干されている状況です。

この所属事務所が知る人ぞ知る「デートピア」です。Perfumeが流行した時期に、溢れる愛とみなぎるオマージュ精神で、便乗したテクノアイドルを量産してきた音楽事務所。社長の大西輝門氏は、宇多田ヒカルのブレイク時に倉木麻衣をデビューさせたことで知られるビーイング出身です。所属アイドルと楽曲のクオリティの高さに舌を巻く反面、メンバーに対する圧倒的な搾取で、地下アイドル界隈でかねてから注目を集めてきました。

2013年までデートピアに所属していたAira Mitsukiは、ラストライブのMCで「戦いを続けられないことが悔しい」と口ごもると、母親が「訴えたりする会社だから、裁判になるかもしれないけど、本当のこと言わなくていいの!」と問いかける事案が発生。

2012年まで所属していたSaori@destinyは活動休止と告げることを許されないまま、ラストライブを迎え、故郷へと帰ることに。ICTラブリ〜ず!!はTOKYO IDOL FESTIVAL2013に出場後、音信不通になりました。これは活動休止したことを明言すると、CDショップの在庫が返品されるためだそうです。

地下アイドル界隈でしか知られていなかったデートピアが、大きなニュースとして報じられたことで、ネット上では「地上波でデートピアの名前を聞く日がくるとは!」「ここ10年で後3回くらい訴えられていてもおかしくなかったんじゃないかな?」などの意見が交わされています。

最近アイドルが運営を訴えるケースが増加しています。茨城県水戸市を中心に活動している水戸ご当地アイドル(仮)のメンバーが12月16日の卒業を前倒しして脱退。メンバーはグループ脱退の理由を、未成年にも関わらず飲酒の強要、セクハラ、パワハラ、賃金の未払い、脱税の疑いがあったと自身のTwitterに綴っています。

これまで不当な扱いをされ泣き寝入りしていたケースも多いであろう地下アイドル。今回の裁判の行方によっては今後、地下アイドルの待遇面が向上するかもしれませんね。


取材・文◎杏

photo:虹色fanふぁーれ・ミニアルバム『タイトルミテイ』http://nff-official.com/

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