大晦日を飾る第64回NHK紅白歌合戦(12月31日午後7時15分~11時45分)の出場歌手51組が25日、同局から発表された。司会はNHKの有働由美子アナウンサー、女優の綾瀬はるか、そして2010年から4年連続で4回目となるジャニーズの嵐に決定した。
嵐が司会に起用された理由をNHKは、今年も発表したCDやDVDはすべて大ヒットし、6年連続となる国立霞ヶ丘陸上競技場でのコンサートも大成功を収めたことを伝え、それぞれが俳優、タレント活動と多岐にわたる分野で活躍中と説明している。
日本テレビの看板番組『24時間テレビ』からのNHK紅白。大晦日に視聴率40%超の国民的番組を仕切ることになる嵐。グループでの司会が認められたSMAPからのバトンを受け継いだ嵐の活躍は素晴らしく、今ではジャニーズの稼ぎ頭になっている。関係者の誰もがジャニーズからSMAPに迫るグループが育つとは思っていなかったはずだが、専属のレコード会社まで立ち上げてデビューさせたジャニー喜多川さんだけが予想していた軌跡だろう。
嵐がデビューした当時はジュニアがタレントとして確立され、世間にも広く認められた「ジュニア黎明期」だった。ファンクラブ組織「情報局」の発足やジュニアだけのライブイベントなどが積極的に開催され、『8時だJ』(テレビ朝日系で1998年4月15日~1999年9月22日まで放映)というジュニア専門のテレビ番組もゴールデンで放送される盛り上がりだった。
この時まで存在しなかった「ジュニア」ブームの到来である。ジュニアはあくまで「候補生」とか「研究生」的な扱いとして認識されながら30余年。これを払拭した滝沢秀明らの活躍によって、「ジャニーズジュニアというタレント」を確立させたのだ。
そしてこの世代のジュニアから飛び出したのが現在の嵐だ。じつはジャニーズの長い歴史では、先輩たちの「バック」で頑張った結果としてそのままグループ結成してデビューするという形が通例だった。ジュニアとしてタレント認知を広めた上で人気どころを集めてグループとしてデビューさせたのは、後にも先にも嵐だけなのだ。
しかし、現在のようなSMAPを凌ぐ超売れっ子になるとはジャニーズ関係者の誰もが予想できなかったはずだ。
嵐のメンバーは、デビュー以前は決して人気でジュニアの1位や2位を争う面々ではなかった。特にリーダー大野智はいるのかいないのかわからないという存在感の薄さがネタにもされるほど。彼の力量が発揮されたのはバックステージでの存在感だった。滝沢秀明や小原裕貴が表で華やかに舞い踊る裏で、大野智は番長的存在で恐れられていた。ただそれだけのジュニアだった。同様に松本潤、二宮和也、櫻井翔にしても人気はあったがあくまで次点扱い。相葉雅紀に至っては面白いだけのお笑いキャラ扱いだった。
本人たちもまさかの人気だと思っているかもしれない。松潤はドラマから、ニノはハリウッド映画、櫻井はニュースキャスター、相葉はお茶の間で人気者になり、大野は絵画などアーティストとして個性を発揮している。それぞれ異なる持ち場を持っていることも現代ジャニーズらしいし、シングルでのミリオンヒッターも唯一だ。完璧な配置と結果である。
もし、嵐というグループの大ヒットがなかったことを考えると、ジャニーズの牙城も揺らいでいただろう。後に続く無数の後輩たちも活動はスムーズに行かなかったはずだ。今年の紅白で初出場となるSexy Zoneにしても、嵐というジャニーズの看板グループがあればこその露出である。
ジャニーズにとって紅白は所属グループのお披露目の場だ。そして、その場を仕切るのが嵐という意味は大きい。雑草から成りあがった彼らの姿は「ジュニア新時代」を象徴しているのだ。
「帰ってきたカルチャースタァ☆平本淳也」
Profile●ジャニーズ出身の実業家、作家、投資家。10歳でジャニーズ事務所から芸能界入り、30歳過ぎまでアイ ドルを続け、現在もテレビや雑誌で活躍を続けるなか、月間100万アクセスを獲るカリスマブロガーとしても知られる。22歳のときに物書きデビューして以 来、34冊の書籍を発表。http://ameblo.jp/junya-hiramoto/
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Written by 平本淳也
Photo by 第64回NHK紅白歌合戦公式サイト
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