「ももクロ」擁護でAKBやラルクをディスる勝谷誠彦の浅はかさ

2014年03月25日 ももクロ 勝谷誠彦 炎上

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Photo by ももいろクローバーZ
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 勝谷誠彦さん(コラムニスト・コメンテーター)の失言が止まらない。3月17日の『スッキリ!!』(日本テレビ系)で、ももクロをプッシュしたいがために、モー娘やFairiesといった他のアイドルに対して「全然動きがキレてない」「前座はもういい」「早く本番(ももクロ)行こうよ」などと暴言を吐き、それらアイドルグループのファンのみならず、ももクロファンからも「勝谷のせいでモノノフ全体が誤解される」 などと非難の声が挙がった。

 ところが、3月24日放送の『スッキリ!!』にて、またしても行き過ぎたももクロ擁護が飛び出し、今度はL'Arc〜en〜Cielのファン達から批判されている。

 事は3月24日に放送された日本テレビ系列の朝のニュース番組『スッキリ!!』で、3月21日と22日に開催されたL'Arc〜en〜Cielの国立競技場ライブの模様が流された際に起きた。放送中に2日間合わせて16万人という動員数や、過去の動員記録のランキングが紹介されたのだが、そこで勝谷氏は「これは人気順じゃない! ももクロはセットの組み方であの動員数だっただけだ!」と、誰も聞いていない、そしてコーナーの趣旨とも殆ど関係ないももクロ擁護をし始めたのだ。

※国立競技場動員数ランキング
1位 L'Arc〜en〜Ciel 8万人

2位 嵐 7万人

3位 SMAP 6万人

3位 DREAMS COME TRUE 6万人

5位 ももいろクローバーZ 5万5000人

 これに対し当然のことながらラルクのファンから「ラルクよりももクロの方が上だと言いたいのか?」といった声が挙がっている。

 また勝谷氏は他の番組でも「ももクロは他のアイドルと違って生歌で全力だからいい」「AKBなどは口パクだからダメだ」といった発言を繰り返しており、そろそろ自身のももクロ擁護発言が、応援どころかももクロへのネガティブ・キャンペーンになっている点を自覚すべきだろう。

 勝谷氏は数年前に新宿にあるうどん屋『東京麺通団』でお会いした際に、ツレが不躾にも「勝谷さんてホモなの?」と聞いたところ、「そうよぉ~ホモよぉ~」と笑いながらおどけてみせて下さったような方なので、気のいい人物あることは存じている。しかし、ももクロの件に限って言うと明らかに視野が狭いと言うよりほかない。

 大昔の応援する対象が少なかった時代であれば、「聖子ちゃんが嫌なら明菜ちゃんに行くしかない」的な図式や対立構造も考えられたが、今や趣味の幅が広がりすぎ、迂闊に「○○が一番!」といった声を挙げると、それ以外から袋叩きにあう。勝谷氏がいまいち認識出来ていないのがこの点である。ももクロが好きなのは解るが、「ももクロだけが素晴らしい」と受け取られるような言動があっては、そのももクロを巻き添えにして悪いイメージがばら撒かれてしまうのだ。

 私も勝谷氏と同様にももクロは好きだし、AKB一派は好きではない。 正確に言えばタレント自身ではなく、AKBら運営陣の「タレントを守る」ことに対する甘さ、それによって引き起こされた余りにも酷いヨゴレイメージに対して嫌悪感を持っている。あれじゃいくらなんでも人生を賭けて頑張っている女性達が可哀想だろう。

 だが、そんな私でもAKBの成功があってのももクロだということは重々承知している。深刻な音楽不況の時代にあってAKBが踏ん張ってくれたからこそ、アイドル戦国時代などと呼ばれたグループアイドルブームが生まれる下地が作られたのだ。またAKBの前にモーニング娘。らハロプロあってのことだという点も忘れてはならない。勝谷氏に足りないのは、このようなアイドル業界に対する最低限必要なリスペクトや知識ではあるまいか?

 また、肝心のももクロの歴史に対する勉強も不足している。そもそも、ももクロだって以前は口パクで、ダンスもツーステップかボックスで手をヒラヒラさせるだけ的な学芸会のようなレベルだったのだ。また握手券付きCDや、まるでテレクラのようなメンバーとの有料ライブチャットなど、「これを子供にやらせるのか?」と言いたくなるようなイメージの悪い方法で金を作っていたことだってある。その時代を買い支えたファンが少なからずいてくれたからこそ、早見あかりの脱退ドラマなどを経由して、国立競技場を埋めるまでに成長できたのだ。途中でアクロバットを導入したり、生歌に切り替えたり、汚らしい方法を捨てたりといった運営努力もあったが、決してキレイゴトだけではなかった点は忘れるべきではないだろう。

 アイドルビジネスに携わる人間は、タレント自身もスタッフも、皆それぞれしんどい思いをしながら頑張っている。勝谷氏がまず学ぶべきは、そうした人々の想いを汲むことである。

 最後に、東京ブレイキングニュースでネット論を連載させていただいている身として言わせて貰うが、今は扇情的な見出しでファン同士の対立を煽り、それによってPV数を稼いで広告収入を得ているアフィリエイトブログが山ほどある。内容は嫌韓系や2ちゃんまとめ系など様々だが、その中の鉄板ネタのひとつに "アイドルまとめブログ" があることを忘れないで欲しい。

 勝谷氏のような、浅はかに「赤勝て白勝て!」とムキになってしまうような人間が、そうしたアイドルファンの対立を煽って金を稼いでいる人間を喜ばせてしまうのである。自分はお気に入りのアイドルを応援しているつもりでも、実際に喜んでいるのはアフィブログの管理人と、そこに広告を卸している代理店だけだ。

Written by 荒井禎雄

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