「東京マラソン2014」に参加してきた。
パーソナリティを務めるラジオ番組での企画だったのだが、マラソンなんて走ったことない。でも決まった以上楽しんで走るしかない。
そんななか楽しみを見つけた。バナナでおなじみ「ドール」が提供する「東京マラソンのランナーに提供されるバナナ"極撰"」だ。
《「極撰」は、同社が研究・開発した100種類以上のバナナの中から1種類のみを「選び抜き」育て上げたバナナ。同大会に出場するランナーのためだけにフィリピンの極撰バナナ農園で約1年間かけて育てた》(市ケ谷経済新聞)
まさに極上モノ。すごいのはここからだ。
去年提供したバナナは熟成期間中、ずっと爆風スランプの『Runner』を聞かせて育てたという。
いったい、どんな味がするんだ。
今年はアンケートの結果、ももいろクローバーZの『行くぜっ!怪盗少女』をずっと聞かせて育てた。
いったい、どんな味がするんだ。
問題はバナナが提供される地点。レースガイドを見ると最初の配布は22キロ地点。つまり、『極撰』が食べたければそこまでは絶対走らなければならないのだ。練習で最長10キロしか走っていなかった自分は不安だらけ。
いよいよ当日。開会セレモニーで森喜朗が登場。縁起が悪い。
「森氏にブーイングが飛ぶ」という報道があったが、私の周囲(Eブロック)では野次を飛ばすというより「見て見ぬふり」という空気だった。見えないはずの物体が見える「蜃気楼=森喜朗(しんきろう)とはまさにこの現象か。
森氏は「しっかり最後まで走り抜いてください。ご健闘を祈ります」と述べたが、「2020年まで東京五輪・パラリンピック組織委員会のトップにいられるか」しっかり最後まで走り抜いてください。ご健闘を祈ります。
スタートしてみると、びっくりしたのは「ランナー目線」のおもしろさ。ふだん不可能な道路の真ん中を走るだけで東京の風景が新鮮だし、沿道の人たちの顔を見るだけで飽きない。走ってる気がしない。
おまけにランナーには、サンタクロースはいるわ、十字架を背負ったキリストはいるわ、下駄で走る弁慶がいるわ、「こんな会社やめてやる」Tシャツを着て黙々と走るおじさんはいるわ、景色がくるくる変わっておもしろい。
満喫しているうちになんと20キロ通過。もうすぐバナナだ!
おまちかねの『極撰』は山盛りで待機していた。遂にランナーのために聴育されたバナナが目前に。この日最速のダッシュで駆け寄る。
喜び勇んで皮をむこうとすると......。
なんと腕に力が入らない!
楽しんで走っていたが、徐々に体にきていたのだ。でも意地で口にしてみた。
美味い。味が濃い! 甘い!
これがもし森喜朗のスピーチだけを聞かせてバナナを育てたらどうなるのだろう。想像しただけで苦い。
それにしても、一曲だけ(ももクロ)を聞かされて育ったランナー専用バナナは素晴らしかった。
おかげで残り20キロも走れ、初マラソンを完走できた。タイムも5時間を切れた。
あなたもスペシャルバナナを食べるために、来年東京マラソンにチャレンジしてみてはどうだろう。
【前回記事】
佐村河内守と「志村けん・ビートたけしの美談」に類似点...プチ鹿島の『余計な下世話!』vol.31
Written by プチ鹿島
Photo by ドール公式サイトより
プチ鹿島●時事芸人。オフィス北野所属。ニッポン放送「プチ鹿島と長野美郷 Good Job ニッポン」金曜18:00-20:50 ◆TBSラジオ「東京ポッド許可局」◆書籍「うそ社説 2~時事芸人~」◆WEB本の雑誌メルマガ ◆連載コラム「宝島」「東スポWeb」「KAMINOGE」「映画野郎」「CIRCUS MAX 」
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