12月10日東京ドームシティホールでAKB48グループによる「紅白歌合戦」が開催されました。
AKBファンの間で誰もが思っていた事がいくつかあります。
まずは「坂道グループ」に勢いが行っているのではないかという事。
そして、「やっばりアイドルは生歌で歌って欲しい」です。
事実、審査員のミッツマングローブ氏は「あなたたち、生でいけんじゃん」。
社会学者の古市憲寿氏は「悪い意味でひやひやさせる人がいて面白かった。鈴木亜美みたいに」の場を読まない発言。
春風亭小朝氏は「(歌の上手いメンバーを)選んで歌ったのが良かった」。
みんな思っていた事です。
いかにアイドルの生歌が大事か、皆が望んでいたかを推し量るものでした。そして、今回のAKB紅白歌合戦はその殻を打ち破ったのではないでしょうか。
客に迎合しない選曲に賛辞を送りたい
従来はNHK紅白歌合戦にならった、AKBファンの間での「紅白」でした。そしてファンの為の選曲とパフォーマンスでした。
今年はふっ切れました。何人かのAKBファンに聞いたのですが「今年は抜群に良かった」というものでした。それは全て、生バンド。全て生歌だったからです。
口火を切ったのはAKB48「ヘビーローテーション」。センターは向井地美音。その後SKE、NMB、HKT、NGT、STUと続きます。
その後のサプライズには、アイドルヲタなら誰もが「おおーっ」という声をあげたのではないでしょうか。指原莉乃のリクエストで「モーニング娘。'17」が登場。翌日には日本武道館で『工藤遥卒業ライブ』を控えて、です。
指原莉乃の夢が叶った瞬間
『One・Two・Three』『泡沫サタデーナイト』からの『Get you!』を熱唱
NGT48のコラボでは新潟を拠点に15年近く地元で頑張ってきた「Negicco」とのコラボ。
SKEは「チームしゃちほこ」との激しいダンスのコラボ。
NMBは大阪で人気を誇る「たこやきレインボー」とのコラボ。
と、従来のAKB紅白とは全く違う構成。
大正解でしょう。
ソロでは山本彩と稲垣潤一のコラボはあの「松浦亜弥と徳永英明」を彷彿とさせます。そしてイルカ、榊いずみ(橘いずみ)、ロスインディオス、押尾コータローら大御所・人気ミュージシャンとのコラボの連続。
山本彩は稲垣潤一とコラボ
まさかのロス・インディオス登場
会場からの「イルカー!」コールに司会の堺正章もさすがに失笑
印象深かったのが宮脇咲良の「レ・ミゼラブル」。難しい歌なのは百も承知。審査員の春風亭小朝氏が「二段階上のレベルの歌を歌った人もいたけどそれがいい」旨の発言をしていました。
確かに、決して宮脇咲良の歌が上手かったとは言えないかもしれません。が、歌い終わった後、涙を流していた宮脇咲良に「これこそアイドル」と感じた人は多いのではないでしょうか。上手くなくても良い。全力で自分の声で歌う姿がアイドルなのではないでしょうか。
また伸び盛りのグループHKTの本村碧唯・兒玉遥・渕上舞・坂本愛玲菜・豊永阿紀「大人列車」。世界的シンガーで親日家のシンディ・ローパー「TrueColors」を歌った、松岡はな・田中美玖・矢吹奈子。卒業する審査員・渡辺麻友に贈る「チームB推し」など構成を変えたのは大成功と言えるのではないでしょうか。
渡辺麻友が卒業し、北原里英も卒業宣言。指原莉乃が総選挙辞退をする中、AKBは第二章に突入したのではないでしょうか。それも明るい光がある方向に。
取材・文◎久田将義
写真提供◎AKS
動画制作◎編集部