関西人に愛されてやまない独立U局・サンテレビの嘘みたいな話

2017年12月15日 サンテレビ テレビ局 関西

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知ってましたか? こんなテレビ局があることを


みなさんは「独立U局」と呼ばれるテレビ局があるのをご存知ですか?
独立U局とは、東京のキー局5局(TBS、テレビ朝日、フジテレビ、日本テレビ、テレビ東京)を中心とするネットワーク系列に"属さない"テレビ局のことです。

U局の特徴ですが、系列に縛られない独自の編成をしているテレビ局が多いのが特徴です。

縛られない、と言えば聞こえは良いですが、逆を返すとキー局の人気番組はほとんど放送させてもらえないハンデを背負っているテレビ局なのがU局なのです。

少ない予算の中、自前で番組を用意しないといけないので、他局では普通制作されないであろう"ニッチな番組"ばかり放送しております。

釣り、バイク、車、ゴルフ等の趣味番組に始まり、スナックのママが歌う映像をひたすら流すカラオケ番組、有名タレントではなく地元企業の社長が聞き役を務めるお金の匂いしかしないトーク番組、等々バラエティ豊かなラインナップです。

そんなU局の中でも、関西で特に有名なのが神戸に本社を置くサンテレビ。

「阪神タイガースといえばサンテレビ」と言われる程に関西では知らない人がいないテレビ局ですが、実はサンテレビ、全然ちゃんとしていないんです。



『5時に夢中!』完全放送を阻むアニメ番組


TOKYO MXにて放送中の大人気番組『5時に夢中!』、実はサンテレビでも見ることができます。

ただし、本来は6時までの番組である『5時に夢中!』をサンテレビでは5時45分までしか放送しておりません。

原因は、17時50分から始まる10分間のニュースです。

サンテレビは関西の系列局(準キー局)とは異なり兵庫県の地元局。他局は取り上げてくれない地元の情報をしっかり県民に伝える、そういう使命があるが故に仕方がないのだそうです。

しかし、悲しいことにお金もなければ人も少ないのがU局、ニュース番組で10分以上"もたすことができない"のです。

『5時に夢中!』のコーナーの切れ目は17時45分、それ以降ですと自然な流れで番組終了することができないので、ニュースまでの5分間は別番組で埋める必要があるのです。

そんな"空白の5分枠"を埋めるように放送されているのが、『メダカのコタロー』という外来生物・環境破壊と戦うメダカの姿を描いたアニメなんです!

ただこの番組、穴埋め番組が故なのかあまりにもヤル気がないんですよ。

毎日放送されているにもかかわらず、何と内容が数年間全く一緒なのです!

数種類パターンはあるものの、新作を作る気配は一向になし。少なく見積もっても、100回は再放送されています。

ニュースだけでなくこちらも制作費が少なすぎて新作を作ることができないのでしょうか。



制作費が少なすぎて出演者に金銭を要求


アニメの新作が作れないことからわかるように、サンテレビ、及び他U局には十分な制作費がありません。

U局が1年間に使う制作費はせいぜい10億円ほど、この数字は1000億円近い制作費を用意するキー局の100分の1程度です。

通販番組がU局で多く編成されているのも全てはお金がないが故のこと。制作費がかからず収入まで入ってくる通販番組はU局の救世主なのです。

そんな中、サンテレビのある番組がヒドい方法で制作費を削減しようと考えました。

何とタレントにギャラを支払わず、宣伝費を要求しようとしたのです!

出演者が手掛けているグッズの宣伝をしてあげて、その分の料金を請求、こうすれば通販番組のように制作費をかけずに収入まで得ることができます。
この方法、実際に実行されたのかはわかりませんが、アパレルブランドを最近立ち上げた芸人を頻繁に出演させている番組があったとか(笑)。



誰もしゃべらないロケの釣り番組


サンテレビは毎日のように釣り番組を放送しています。その中でも特に有名なのが、オール阪神師匠がメインMCを務める「ビッグ・フィッシング」。
オール阪神師匠の軽快なトーク、そして釣りロケのVTRが人気の番組です。

しかしこの番組のVTR、出演者が全く喋らないどころか音声が完全に切られています。

大物を釣り上げようが無言、オール阪神師匠の軽快なトークしか聞こえてきません。

原因はVTRの出演者です。
タレントの出演は全くなし、ひたすら硬派な釣り人達しか出てこないのです。

とにかくヘラブナを釣るのが上手なお爺さんが1人で出てきても、ロケ中のトークを軽快にできるはずがありません。

オール阪神師匠が一緒にロケをすれば問題ないんでしょうが、もちろんサンテレビには大御所にそんなことまでさせるお金はありません。

やむを得ずスタジオでVTRを見ながらコメントをしていただく、この形式しかありえないのです。

もちろん、私のような一般視聴者の声は関係ありません、コアな番組ファンにはその硬派なスタイルが人気なのです。

マンネリ化した番組に新しい風を吹かそうとしたのか、2016年から元NMBの門脇佳奈子をMCとして起用しているのですが、どうやら従来の番組ファンからは顰蹙を買っているとか。なんでやねん(笑)。



グランシャトーの映像をコッソリ流している天気予報


関西では、"京橋はええとこだっせ♪"のCMでお馴染みの総合レジャービル、グランシャトー。

そんなグランシャトーの映像がバッグに流れる天気予報を、サンテレビは放送しています。

何とも言えないローカルっぽさがいい味を出しているこの広告ですが、都市伝説のような長続きしている理由があるんです。


何とこの広告費の請求をグランシャトー側が認識していないというのです。

長年の歴史のおかげか、他の経費と共に機械的に処理されているようで、グランシャトー内で気に留める人間もいないそうです。

間に入っている広告代理店は、

「請求がバレたら打ち切られてしまうかもしれないので、グランシャトーには訪問しないでくれ」

そうサンテレビに口を酸っぱくして言っているとか(笑)。

いかがでしたか、とても有名なテレビ局とは思えないヒドい番組ばかりです。
しかし、そんなところも愛らしいのがサンテレビ。
これからも独自路線で頑張ってほしいものです。


取材・文◎ジャミロ熊井

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