Photo by 逆転力 ~ピンチを待て~ (講談社 Mook)
AKB48グループ(AKB48G)の「AKB48グループ東京ドームコンサート~するなよ?するなよ?絶対卒業発表するなよ?~」が20日終わった。大島優子がいないAKB48は物足りないのではと感じていたが、現メンバーの長所を随時見せたライブだった。現在のAKBを、こういった大舞台でのライブを引っ張っているのは間違いなく指原莉乃、高橋みなみの二人だった。とくに指原の成長振りは想像以上のものだった。今から3~4年前、ヘタレキャラで売り出していた当時の指原と比較すると、別人のようなパフォーマンスを見せていた。彼女のステージングには、若いHKT48のメンバーもプラス面で影響を受けるはずだ。
この二人に続く存在になると期待されるメンバーには、NMB48の山本彩が挙げられる。ホームとも言えるNMB48での彼女のステージングや佇まいは、指原・高橋のそれを想起させた。従来より地元関西ファンの間では歌唱力、パフォーマンスは高く評価されていたが、今回で見事に開花したのではないか。
そして何より印象に残ったのが、総選挙一位の渡辺麻友の安定感だった。その華やかな存在感とキレのある細かいパフォーマンスは、まさに王道アイドルという名に相応しかった。今後のAKB48グループの未来像を占うとすれば、昨年の大ヒット曲「恋のフォーンチュークッキー」PVで印象深いシーンを見ることができる。王道アイドルとしての渡辺麻友、バラエティで安定した地位を築いた指原莉乃の総選挙の一位&二位の最強ツートップ。そして"日本経済のへそ"名古屋を拠点とするSKE48の大看板・松井珠理奈。さらにはNMB48の圧倒的なカリスマ・山本彩の四人がメインで露出する構成があった。運営側も今後はこの四人を中心に展開させていくのだと推測できる。
そういった点で踏まえると、少なからず違和感を抱いたのが総選挙三位の柏木由紀の扱われ方だった。場内のビジョンでも抜かれる事が少なく、総選挙三位の割に扱いが軽かったように感じる。こういった大舞台で柏木由紀がプッシュされなくては、総選挙の意味も価値も薄れてしまうのではないか。それに対して運営側の期待を感じさせたのが総選挙四位の松井珠理奈だった。松井珠理奈を渡辺麻友に続く「王道アイドル」の後継者と位置付けているのかもしれないが、逆にそれがまだ若い彼女のプレッシャーになってしまわないかと少し危惧するところもある。
ちなみに、僕の通路を挟んで座っていた男女のカップルが公演の途中で警備員によって強制的に退席させられていた。所有していたバッグの中身を執拗にチェックされていたので、ビデオカメラなどを仕込んで撮影(録音)していたのだろうか。5月25日の襲撃事件の記憶がまだ新しいだけに、そんな光景がちょっと気になった。
Written by 久田将義(東京ブレイキングニュース編集長)
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