「BLACKザ・タブー」(ミリオン出版)という雑誌をご存じだろうか。不定期刊ながら、良い意味でヤンチャ感を出している「現代のカストリ雑誌」とも言うべき内容だった(ホメてます)。因みに僕は不定期で対談連載をしており、順不同で室井佑月、岩井志麻子、蛭子能収、犬山紙子、新垣隆、風間ゆみ、コウノコージ各氏等を招いたページに登場させて頂いていた。その雑誌が7月13日売りをもって休刊するという。最後のゲストは吉田豪氏だった。
休刊を巡っては、ネット上では週刊文春がスクープした、AKB48の柏木由紀と手越裕也とのツーショット写真について「誰がリークしたかをつかんだ」旨を、BLACKザ・タブー公式アカウントでつぶやき、その当該号が休刊となった為、AKBの圧力ではないかとの憶測が飛び交っている。
編集長の簗瀬君は――僕が「実話ナックルズ」編集長時代の副編集長だったので親しみを込めてこう呼ばせて頂くが――「日本のタブー」という廉価版を40万部売った「デキル編集者」というイメージを抱いている。
休刊後、ネットをざっと見まわしてみたがほとんどが「陰謀論」のニュースサイトであったり、中に編集部のツイートだけで構成した記事もあり、だから「ネットニュースはダメなんだ」と紙媒体にバカにされるのも不本意でもあるし、ちょっと「行き過ぎ感」があるので休刊事情について、一応、この雑誌の不定期連載者の一人として僕なりの意見を書かせて頂く。
因みに、「仕事に貴賤はない」という矜持はメディア人が持つ精神だと思っている。従って「マスコミに貴賤はない」という事も肝に銘じなければならない訳で「ネットがダメで紙媒体が上」という見方を僕はしていないのだが、編集部のツイートだけで記事を作ったり、あまりにも行き過ぎた陰謀論が展開されるのは、いかがなものかという事は再度指摘しておきたい。
編集部とは電話やメールで個人的にやりとりをしているし、ある程度僕の推測通りだが、休刊の真相は編集部がツイートしたように、上記のようなサイトに対してまとめて反論(?)するような事を呟いていたので、エチケットとしてそれを待とうと思う。
まず、一事務所の圧力で一つの媒体が休刊になったという事例は日本の出版史において例がない。例えば、「マルコポーロ」が休刊になった事例もあるが、アレは「ユダヤ」という巨大組織を刺激したからである。
「芸能事務所に逆らったから休刊」という雑誌は見た事がない。僕も、バーニングを執拗に叩いた記事を「ダークサイドAPAN」という雑誌に連載させていたが確かに、配達証明の抗議が送られてきたり、ある人に「尾行されているかも知れないから気をつけろ」と忠告を受けたりした。が、雑誌を潰すという事がもし本当ならば、憲法21条に抵触する愚かな行為であり、そこまで「言論の自由・表現の自由」がないがしろにするほど事務所も愚かではあるまい。日本は仮にも先進国だ。と、いう事を踏まえて、本誌の読者の皆様におかれましては今回の事態を冷静に捉えて頂ければ幸いである。
Written by 久田将義(東京ブレイキングニュース編集長)
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