今年の流行語大賞は「DNA鑑定」だ。今のところ。大沢樹生の実子騒動に続き、なぜか「若貴」にも飛び火した。元横綱若乃花、貴乃花の母親でタレントの藤田紀子がフジテレビの番組で「若乃花と貴乃花の父親が違う」という噂について、突然自分から発言。
「わが家のデマはいつまでたっても消えない」「DNA鑑定をしてもいい」「100%以上の自信がある」
デマというのは、若乃花(花田虎上)の父親は初代横綱若乃花の花田勝治氏という噂のこと。私は都市伝説的な与太話だと思っていたのだが藤田紀子の口から出たことに深刻さを感じた。次男の貴乃花がその話を信じているらしいことも。
「今こそ大沢さんの騒ぎが始まっているので、公のところで(DNA)鑑定しようじゃないかしら、と思うくらいです。それを信じ込んでいる息子がいるとしたら、生きているうちに絶対したいと思うくらいです」(日刊スポーツ・1月18日)
これでうっかり輪島が浮上したら大相撲初場所以上の混戦になる。(※あくまで比喩です)
さて、この「DNA型鑑定」だが、あるタレントが多大な足跡を残していたことをご存じだろうか。酒井法子である。
2009年の酒井法子が覚せい剤の使用で逮捕されたあの事件。じつはDNA型鑑定が活躍した例なのだ。その事実を私は昨年11月に司会をしたイベントでたまたま知った。その回のゲストは法科学鑑定研究所の櫻井俊彦氏。あの事件のとき、櫻井氏は「酒井容疑者の自宅から押収された覚せい剤の吸引道具(パイプ)に付着したDNA型が酒井容疑者のものと一致した」という当時のニュースに疑念を抱いた。
酒井法子は逃走中だったからだ。酒井法子の自宅から彼女のものとおぼしきDNAは採取できる。しかしそれだけでは酒井法子のDNA型と一致したと断言できない。
「理由は簡単だ。酒井元被告の家から採取されるDNAは、必ずしも彼女のものとは限らないからである。コップや歯ブラシを使っていたのが別の人物だったら......。そんな曖昧な状態で採取したDNAでは、刑事事件の証拠にはなりえない。」(「DNA鑑定」櫻井俊彦・メディアファクトリー)
では警察はなぜ断言できたか。
「考えられる唯一の理由として、酒井元被告が出頭する約3週間前に、同じく覚せい剤取締法違反で逮捕されていた彼女の弟の存在が挙げられる。(略)彼女の弟のDNAを鑑定したためだろう」(同)
ただ、酒井姉弟は異母姉弟だった。あの事件はこうした状況でより高い精度の姉弟鑑定を行うための「モデル」になったという。
「かつてのトップアイドルの覚せい剤使用という衝撃的なニュース。その背後では、DNA型鑑定のよる異母姉弟の特定や、毛髪検査による覚せい剤使用の証明という、最新の科学捜査が行われていたのである」
なお、この本にはDNA研究によるマンモス復活プロジェクトも書かれており、酒井法子とマンモスが同時に記載されているマンモスうれピー的展開にもなっている。
私は冒頭で"今年の流行語大賞は「DNA鑑定」"と書いたが、こうしたDNA鑑定のすごさを教えてくれる本もあれば、最近出版された『殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件』(清水 潔・新潮社)のように、DNA型鑑定の危なっかしさに注目した調査報道の本も話題だからだ。しばらくDNAブーム。
Written by プチ鹿島
Photo by DNA鑑定
【前回記事】
大沢樹生と樫木裕実の泥沼騒動に見る「おばさんジャーナル」 のえげつなさ...プチ鹿島の『余計な下世話!』vol.26
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