万能細胞「STAP細胞」開発の成果が発表されたが、ある意味「小保方晴子」さんも発見されたと言える。
今回の快挙、オヤジジャーナル(送り手もおじさん、受け手もおじさん)はどう伝えたか。
見事に一致したキーワードがあった。「リケジョ」である。
・新万能細胞 世界も称賛 小保方さん かっぽう着の異彩リケジョ(東京新聞)
・論文一時は却下...かっぽう着の「リケジョ」快挙(読売新聞)
・リケジョ、小保方さんに続け ピンクの研究着に夢こめて(朝日新聞)
・リケジョの星、小保方晴子さんに"金メダル"をあげたい(サンスポ)
「リケジョ(理系女子)」。少し前からなんとなく知っていた言葉を、わかりやすいキッカケにより大声で使いだすのがオヤジジャーナルである。世紀の発見をした人物すら「リケジョ」というトレンド枠に押し込める。
オヤジたちはそのうち「今年はリケジョが流行った」と満足気に言いだすだろう。総括するだろう。なんなら「かっぽう着」も怪しい。
そんななか、小保方さんから1月31日に「報道関係者の皆様へのお願い」という文書が。
《研究発表に関する記者会見以降、研究成果に関係のない報道が一人歩きしてしまい、研究活動に支障が出ている状況です。また、小保方本人やその親族のプライバシーに関わる取材が過熱し、お世話になってきた知人・友人をはじめ、近隣にお住いの方々にまでご迷惑が及び大変心苦しい毎日を送っております。》
研究発表の数日後にこういう「発表」も追加しなければいけないとは、どんな「取材」がなされたのだろう。
おそらく週明け(2月2日~)の週刊誌でたっぷりその成果は発表されるのだろうが、ひとまず新聞をチェックしてみた。
小保方さんのお願いが出た翌日の「夕刊フジ」「日刊ゲンダイ」「東京スポーツ」を購入。
意外なことに夕刊フジも東スポも小保方さんの後追い記事は一切なし。
やっと日刊ゲンダイに「さっそく始まった有名大学 小保方さん争奪戦」という記事があった。大きなお世話と言ってしまえばそれまでだがおとなしめ。
しかし、下に目をやると『早くも国民的大スター「はるちゃん」を育てた両親と豪邸』という記事が。読み進めると......。
「一体、どんな環境で育ったのか。そこで千葉県松戸市にある小保方さんの実家を訪ねてみた。」
オヤジ、家に行っちゃったのか。
「最寄駅から新興住宅街の一角にある27年前の建売り」という説明(記事では「壁の色」などもっと詳しい)に、なんと家の写真まで載せている。
トドメは両親の職業と勤務先の公開、近所の男性による「小保方家の家族構成紹介&週末の過ごし方」情報。
さんざん書いて最後は「ますますファンが増えそうだ」とまとめている。
これぞオヤジジャーナル!
ゲンダイ師匠は去年の「安藤美姫出産」騒動のとき、「美姫娘、赤ちゃんの目は青くない」とさんざん父親詮索をしたあと「マスコミもそろそろ放っておいたらどうか」と記事をまとめた実績がある(2013年7月6日発行)。
やってることは下世話だが、己の志は高みに置くオヤジジャーナル芸。これを「マスゴミ」と怒る人もいるだろうが、私はオヤジの動向を追いかける楽しみに変えた。
ただ小保方さんは芸能人やスポーツ選手ではない。「マスコミもそろそろ放っておいたらどうか」。
将来NHK朝の連ドラでやるであろう「おぼちゃん」まで静かに見守りたい。
【前回記事】
「明日、ママがいない」の命運を暗示か!? 9年前の「女王の教室」騒動...プチ鹿島の『余計な下世話!』vol.28
Written by プチ鹿島
Photo by 理化学研究所公式サイトより
プチ鹿島●時事芸人。オフィス北野所属。ニッポン放送「プチ鹿島と長野美郷 Good Job ニッポン」金曜18:00-20:50 ◆TBSラジオ「東京ポッド許可局」◆書籍「うそ社説 2~時事芸人~」◆WEB本の雑誌メルマガ ◆連載コラム「宝島」「東スポWeb」「KAMINOGE」「映画野郎」「CIRCUS MAX 」
【関連記事】
●「Mステでおっpいポロリ放送事故ww」こんなスパムに騙された著名人の実名リスト
●都知事選・安倍首相×小泉氏の銀座決戦ルポ 「この選挙は無効票が増える」
●10代でジャニーズ事務所を解雇された「元ジュニア」が抱える光と影