大阪・道頓堀で発生した奇妙な事件の背景を追った!
免税店の店員に現場を取り押さえられた万引き犯が警察に引き渡されたら巧妙に逃走ーー。そんな珍しい事件が大阪で起きた。万引きの現場における被疑者の逃走は頻発しているが、ここまで手の込んだモノは珍しく、通常であれば絶対にあり得ない事故といえる。被疑者として扱われることになれば、その時点から携帯電話の使用は禁じられるので、このような形で逃走を図ることは不可能だからだ。朝日新聞デジタルの記事から引用する。
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「手を骨折」と通報、搬送直後に男と逃走 実は万引き?
大阪・道頓堀にある免税店の女性店員が11日午後2時ごろ、店の近くの交番に駆け込み、「カメラを盗んだ人がいる」と届け出た。大阪府警によると、警察官が駆けつけるまでの間、近くの路上で別の店員から取り押さえられた女が「万引きしていない。手が骨折している」と言いながら自ら119番通報。到着した救急車に警察官と乗り込み、病院へ向かった。女は救急車内で警察官に日本人名を名乗り、携帯電話を手にとって「弁護士にかける」。病院に到着して救急車から降りた直後、スーツ姿の男が現れ、近くに止めていた車で女と一緒に逃げたという。府警は、女が救急車内で電話をかけた相手は仲間だったとみて2人の行方を捜している。
(http://www.asahi.com/articles/ASG7C6QB5G7CPTIL01X.html)
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警察官が現場に到着した時点で、被害店舗の従業員によって逮捕されている状況にあった女は、当然に被疑者として扱われるべき立場といえる。救急車に同乗した警察官は、なぜ携帯電話の使用を許してしまったのか。
その経緯は明らかにされていないが、証拠となるブツ(被害品)を出させられないまま救急車に乗せてしまったために、被疑者扱いしきれなかったのだと考えられる。おそらくは犯行を否認された上に、暴行被害まで訴えられたことで現場が混乱して、女の身分確認や所持品検査の実施が後回しされたのだろう。被害者面をして自ら救急車を呼んだ女が、言葉巧みに所持品検査を拒み続けて、犯行を認めないまま救急車に乗り込んでしまったという流れだ。
それに、受傷したという女の言葉を重く受け止めた警察官が、被疑者であるはずの女を被害者として扱ってしまった可能性も捨てきれない。もしくは、現場に不慣れな新人警察官を配置したために、このような失態を招いたとも考えられる。いずれにせよ、警察のミスによって損失を被ることになった商店の立場からすれば、その不手際に呆れるほかないだろう。
警察は逃走した二人の行方を追っているというが、万引きは現行犯逮捕が基本だ。たとえ、逃げた女の身柄を確保できたとしても、盗品が発見されなければ被害回復には至らず、それに代わる明確な証拠が発見できなければ窃盗罪での立件すら難しくなる。
その場合には、公務執行妨害などを適用してでも引っ張ってくると思われるが、二人の言い訳次第では逃げ得の結果が生じる可能性も捨てきれない。逃走を図ったということは、罪を認めていることに等しい行為といえるが、疑わしきは罰せられないのである。
逃げ得を許さないはずの警察は、どのような形で事件処理に臨むのだろうか。逃げた二人の身柄が確保されることを願いつつ、今後の展開に注目したい。
Written by 伊東ゆう
Photo by holdosi
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