「婚活」という言葉が普通に使われるようになって早数年。もはや婚活は合コンより主流といってもいいでしょう。しかし、NHKの放送文化研究所による意識調査ではおもしろい結果が出ていました。
なんと「結婚=幸せ」と思っている人より、「結婚しても幸せとは限らない」と思っている人が多いということが判明したのです。とくに女性は、男性よりも現実的な回答をしている人が圧倒的多数。それなのに婚活ブームはいまだに終息の兆しを見せません。この矛盾はいったいなぜ起こるのでしょうか?
NHKの放送文化研究所が全国の16歳以上の男女1800人を対象に行った調査によると、「結婚している方が幸せ」と回答したのは全体の29%。一方、「そう思わない」と回答したのは28%と、最近は結婚を現実的に見ている人が多いことがわかります。
気になる男女別の回答を見てみると、「結婚している方が幸せ」と回答した未婚の女性は25%。一方、「そう思わない」と回答した女性は36%にも上りました。結婚が幸せというわけではないのに婚活はする......そんな女子に、「なぜ?」をぶつけてみました。
●その1:老後の不安
「世の中の離婚率を考えたら『結婚=幸せ』と安易には考えられない。でも老後に一人になるのは不安だから、できれば結婚したい」(28歳/不動産)
●その2:出産の年齢制限
「結婚そのものへの憧れはないんですが、やっぱり親に子どもの顔を見せてあげたいですね。年齢的にも急ぎたいので、婚活しています」(30歳/出版)
●その3:加齢にともなう世間の目
「もともと結婚願望は薄め。だけど、女性が一生仕事して食べていくのは、社会情勢的にも日本の風習的にも無理があると感じます。出世していける能力もあるかわからないですし」(32歳/製造)
●その4:幸せな家庭への憧れ
「幼いころから、顔を合わせればケンカばかりする両親を見てきたので、私の中で結婚は幸せと結びつきませんね。自分こそは失敗しないぞ、幸せな家庭を築くぞ、と思って婚活しています」(32歳/飲食)
●その5:結婚は生きる術
「自由はお金で買えるというように、『結婚=自由をお金に換算すること』だと思っています。私は仕事人間になれないタイプなので、ラクに生きていくために結婚は必須」(29歳/アパレル)
●その6:結婚と独身の違いを知りたい
「結婚に偏見はないけど、結婚願望もないです。でも周囲に『結婚しないの?』と聞かれすぎて、そんなに今の生き方よりいいものなのかと知りたくなりました。一度経験しておいてもいいのかなと思い、婚活中です」(34歳/看護師)
女性達の意見は、想像を絶するシビアさです。しかし、妙に納得できると思いませんか? バブル期のなごり、高学歴、高収入、高身長のいわゆる「三高」と呼ばれる結婚条件。以前と比べれば男性にばかり高い条件を求める女性は減ってきていますが、それでも婚活の世界ではいまだ健在の「三高」。それは今でも結婚を現実的にシビアに考える女子たちの思いを象徴しています。
何のために結婚をするのでしょう。老後のため? それともお金のため?
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Written by くらげ雲/Gow! Magazine
Photo by anka nevasilyeva