バンコクで行われた「売春業」の女性・男性・オカマへの聞き取り調査の結果がすごいことに!

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 タイ全土に約70,000人の路上生活者がいるそうですが、バンコク都内には3,630人が路上で生活していると、路上生活者支援を行っているイサラチョン基金が2月28日に開催された2017年度の路上生活者実態調査の結果報告会で発表しました。

 この3,630人の中には、まったくのホームレス994人のほかに肉体労働者52人、外国人20人、さらにフリーの売春業を営む者が529人含まれています。バンコクで路上生活者がもっとも多いのはプラナコーン地区(王宮、エメラルド寺院、カオサン・ロードなどがある地域)で624人でした。

 さらにこの調査ではプラナコーン地区にいるフリーの売春業を営む女性、男性、オカマにコンドームを無料配布することによって聞き取り調査を行ったところ、1日に800~1,000人が存在していることを確認しました。うち60%が高齢者で女性の最高齢は83歳。こんなところでも高齢化が進んでいることが明らかになっています。女性最年少は12歳でした。一方、男性の最高齢は46歳、最年少はなんと8歳。収入は1日300〜1,000バーツ(約1,000~3,300円)でした。

 プラナコーン地区でフリーの売春婦と言えば、誰もが連想するのが王宮前広場。ここのジャックフルーツの木の下の暗がりに立っていることから「ジャックフルーツのお化け」という売春婦を意味する隠語が生まれたほどです。深夜11時頃から未明4時頃まで、広場周辺には多くのその手の人達が立っているようです。

 ただしバンコク都が夜間の王宮前広場立ち入りを制限したことをきっかけに、現在では中高年層の売春婦は広場東のロート運河沿いに、オカマは南のサラーンロム宮殿付近、そして暴走族のレディースなどの新顔の若い子らは王宮前広場周辺にと、層によって居場所が分散しているとのことです。また妊娠5か月の妊婦、精神障害者もその手が好きな人の需要に応えるために売春を行っていました。

 基金は聞き取り結果も公表しています。まず中高年層女性が売春を行う理由は、経済的に苦しい、年金が足りない、寂しさを紛らわすため、承認欲求を満たすため、自分らしくいたいためなどでした。お金のためではなく家庭の外に温もりを求める人の例では、軍人の妻(主婦)は夫の年金が月に30,000バーツ(約10万円)入るにもかかわらず売春をしていました。

 しかし多くのケースは経済的な理由からです。高級官僚のある者はクレジットカード負債200万バーツ(約660万円)返済のために隣県から来ていました。以前物売りをしていた64歳の女性は無収入になり借家にいられなくなったことから路上で寝泊まりを始めたところ、人に誘われこの道に入って3か月。52歳の女性は妊娠したところで夫に捨てられ、子供を養うために元手のかからないこの仕事を始めたとのことでした。

 一方、若者のケースでは、20代後半のカップルがどうせ減るものでもないしという理由で金目的で女性に積極的に売春をさせていました。彼氏が客をホテルまでバイクで送るケースもあるようです。さらにはカップルの男女ともに売春を行っていたケースまでありました。

 若者が売春をする理由の多くは、男女ともにゲーム欲しさや欲しい物を買うためといったものです。彼氏の愛車を改造するお金を稼ぐためという子もいるとか。若者は学校の休み期間に多く見かけると調査では述べています。

 日中にはバンコク随一の観光名所である一帯が、深夜になるとまったく別の顔を見せていることは、聞いた話として知っている人はいても、実際に見た人は少ないのかもしれません。この調査結果は大手の新聞やTVニュースがこぞって取り上げていました。(取材・文◎赤熊賢)