車やバイクの多重事故で小学生たちが血だらけ、中には内臓が飛び出した子も……でも死傷者ゼロの不思議

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 顔面血だらけで体中に傷を負った小学生と思われる大勢の子供たち。道路上には多重事故を起こしたような車やバイクが多数。煙が上がっている車も見えます。

 担架で負傷者を運び出す作業が行われる中、道路脇には泣き叫んでいる子供の姿もあります。制服がビリビリに破れた子はまだマシな方。腹部に棒が突き刺さり腸が飛び出した男の子には思わず目を背けたくなるではないですか。

 凄惨な交通事故現場…のはずなのに、あれ? 良く見ると顔面を血で真っ赤にしながら楽しそうに笑っている子がいる……?

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 実はこれ、タイ東北部チャイヤプーム県で8月24日に行われた交通救助訓練の模様なのです。

 地元自治体に陸軍、警察、病院、民間レスキュー団体が合同で実施した訓練なのですが、それに参加した地元小学校の子供たちがノリノリで特殊メイクに凝り出してしまったため、こんなリアルな演出になったのでした。

 中には悲鳴を上げるなど演技に熱がこもりすぎて、本当に泣き出す子もいたほど。

 普通この手の行政主催の訓練はタイでも退屈なもので、参加者は半ば義務で参加するのが常ですが、今回は救助訓練に当たる当局職員も臨場感満点の中でさぞ訓練の成果が大いにあったことでしょう。

 いわば今回の主役だった子供たちも、まるでハロウィンの仮装を楽しむようなお祭り騒ぎの中で楽しく交通事故の怖さを学習できたのなら、啓蒙活動としても大成功したと言えそうですね。

 訓練後、参加した民間レスキュー団体関係者の一人が「各方面が協力して実施した今回の交通救助訓練は、目的を果たして完了した」と自身のfacebookで満足げに投稿しています。

 その投稿に対して付いたコメントは、

「凄いですね」
「まるで本当みたいです。みなさんを称賛したいです」
「とってもリアルすぎて驚いたほどだよ」
「ここまでリアルにできるんなら、レスキュー隊員から映画監督に転職してよ」

 と好意的な意見で埋め尽くされています。

 日本でもそれこそハロウィンの時期に真似てやってみたらどうでしょう? 地元の人気行事として定着するかもしれませんよ。(取材・文◎赤熊賢)