外はトゲトゲ、中はクッサ〜の完全凶器作物。これが前のトラックから落ちてくると...
果物の王様と呼ばれるドリアンは、腐臭のようなニオイが独特な個性となっているフルーツですが、トゲだらけの外観もまた凶器になりそうな果物らしからぬ迫力を醸し出しています。
そんなドリアンが実際に凶器になりえるんだという事故が最近タイで起きてしまい、話題になりました。
きっかけは9月14日、一人の男性がfacebookに投稿した記事。「警告。ドリアンを運搬しているトラックの後ろについて走ったらダメだよ!!」との男性の言葉とともに投稿された写真には、車のフロントガラスにめり込んだドリアンが写っているではないですか。
収穫したドリアンを運んでいるトラックの直後について走行していたところ、トラックの荷台からドリアンが1つ落下してフロンドガラスを直撃したようです。
facebookのコメント欄には男性の身を心配する声が多数...、かと思いきや、
「得したじゃん。ドリアンをタダで食べられて」
「ラッキーだね」
「熟した実だったら得したね」
「ハイビームで走ってたからドリアンを投げつけられたんじゃないの?w」
「マジで食っちゃえ!」
「いかにもドリアンを食べたそうな顔をしていたからドリアンが引き寄せられたんだよ」
「あんたの車のナンバー教えてよ。運の良さにあやかってその番号で宝くじを買うから」
と男性を冷やかすコメントが溢れているのでした。ケガがなかったからというのもあるのかもしれません。
しかし当初は被害者と思われ報道までされたこの男性、実は現場に駆け付けたレスキュー隊員らしく、実際に車を運転して被害に遭ったのは全くの別人でしかも女性でした。
その女性は9月5日にfacebookに事故の様子を投稿しているのですが、フロントガラスを直撃したドリアンは、なんとガラスを突き破り車内にまで飛び込んだのだそうです。ガラスの破片が車内に散乱し、女性自身も飛び込んだドリアンが腕に当たり多少痛みがあるとのこと。
市場で売られているドリアンの重さはたいていが2~4キログラム。直撃を受けなかった女性はまだ不幸中の幸いだったというべきでしょう。事実、タイや周辺国ではたまに木から落下したドリアンが頭部に当たり気絶やケガをする人が出ています。
タイでは物理科目が苦手な中高生の間で「ニュートンの頭に当たったのがリンゴではなくドリアンだったら、物理はこんなに難しくなかったのに」というジョークが定番となっているほど。
しかし筆者が調べた限りでは木から落ちたドリアンが頭を直撃して死者が出たというニュースは見当たりませんでした。重い上にトゲがありいかにも凶器ではありますが、木に実がなる位置が低いため死にまでは至らないようです。トゲが当たった部分に穴のような傷ができはしますが。
その代わり、木のずっと高い場所に実がなるヤシの実の直撃を受けて亡くなる人は結構いるようです。あの硬いヤシの実が5~10メートルの高さから直撃する衝撃の強さは想像に難くありません。
ドリアンにしてもヤシの実にしても、果樹園内を歩いたりしない限り直撃を食らうことはそうそうないとは思いますが、この女性のようなレアなケースもあることを考えると、心配性の筆者は南国の旅行中いつも用心したくなってしまいます。お洒落なレストランでドリアンアイスやココナッツジュースを堪能する時ぐらいは心配を忘れたいものですけどね。(取材・文◎赤熊賢)
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