人生の大半を海外で過ごしてきたというイギリス人のビジネスマン(以下おやじ)と、ホーチミンで出会った時のこと。興味深い話を聞いた。
「共産主義は、結局発展しないよ。だって、上がお金(賄賂)とって解決するだけだから。ルールはあってないようなもの。
数年前、ブンタウ(ホーチミン近郊の街)に、外国資本を投じてラスベガスより大きなカジノを作ろうって話があったんだけどさ、結局カジノに人を呼び込む空港、幹線道路、それにライセンスを担当したベトナム政府がなかなか動かないもんだから、外資系の企業側がしびれを切らしてこの話はポシャっちゃったんだよ」
で、家に帰って、その実話をググってみたのが以下の記事だ。
【ベトナム】米投資会社のウィンベスト・インベストメント(本社ボストン)は、ベトナムのバリアブンタウ省で計画している観光リゾートにカジノの増設を希望しており、同国政府に認可を求めた。トイチェー(電子版)などが伝えた。同社は昨年、ブンタウ市東方6キロのクアラプ地区にホテル、ゴルフ場、娯楽施設、商業施設などを備えた総合リゾート「サイゴン・アトランティック・ツーリズム・コンプレックス」を建設する認可を取得していた。開発は5年間かけ、3段階で進められる予定だった。カジノを増設する場合、投資額は当初認可の3億米ドルから10億米ドルへと膨らむ見通し。同社はまた、中部高原地帯のラムドン省でも総額3億米ドルの観光事業で認可を申請している。(「newsclip.be」 2007年4月より)
過去形やら現在形やらが混ざったよくわからぬこの記事は、今となっては懐かしい内容に。おやじがいうことには「いくら外国資本が入ってきてプロジェクトをたててみても、ベトナム内部(政府間)でこれといったリーダーシップをとる人間がおらず、グループ争い。しかも考えることと言えば自分達のポケットマネーだけ。これじゃ、いくら頑張っても発展しないよ。外資系企業もしびれを切らして計画はポシャルばかりだよ」とのこと。おやじの会社も、政府関係者の○×さんに○○パーセントを支払うなど要求されるらしい。
そういや、街で見かける工事現場の看板は、「完成2012年5月予定→2013年10月予定」等延期されているのばかり。不思議だなぁと思っていたが、何となく話していて、謎が解けてきた。要は、上がグダグダなのだ。というかシステムがあってないようなもの。お金をあげれば、それが正義になる社会。
今、ベトナムは勢いよく発展している(ようにみえる)。勢いがありすぎて、怖いぐらいだ。だが、本当のところどうなんだろう。ベトナム人が賄賂やらこれまでのやり方を変えようと思わなければ、結局変わんないんだろうなぁ。日本と同じようにモノがあふれるベトナムでの暮らしから、それでも、日々の暮らしから「共産主義」ってこーゆーことかぁと見えてきた今日この頃である。
表だって政府を批判できぬ現状に、人々は慣れているのかもしれないが、堂々と批判し合う日本のマスコミを思い出し、案外それも悪くはないのかもしれないなと思った。
Written by 日刊ナックルズ編集部(構成)
Photo by tecrekka
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