欧州でみずから意図的にHIV感染する若者が急増...世界保健機関が報告

2013年11月27日 HIV ギリシャ 金融危機

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 エイズウイルス(HIV)に感染した40代男性が献血した血液が、患者2人に輸血され、そのうちの60代男性がHIVに感染してことが判明した。厚生労働省の専門委員会で日本赤十字社が26日、報告した。国内での輸血によるHIV感染事例は2003年に発覚して以来のものになる。

 HIV感染が大きな話題になっているのは日本だけではない。時期を同じくしてギリシャでは、前代未聞の理由でHIV感染者が急増していることを英国紙デイリーミラーが伝えている。世界保健機関・欧州疫病予防対策センター(WHO)の報告書によって、2010年は22名だった新規感染者数が翌2011年には10倍強の245名にまで急上昇していることが明らかになった。しかも、その多くは「みずから意図的にHIV感染していると考えられる」という。

 ギリシャでは、麻薬中毒者が注射器などによってHIV感染した場合、月額700ユーロの医療補助金を含めた「薬物治療プログラム」が受けられる。そのため、過去最高の失業率26.9%に到達するなど経済的に絶望した市民が、医療補助費を受け取る資格を得ようと自らHIVに感染する例が後を絶たないというのだ。WHOの報告書はさらに衝撃的なデータをギリシャに突き付けている。深刻なのは自殺者の急増だろう。経済危機があらわになる2007年から二桁の増加率が続き、2011年前半には40%増加という異常な伸びを示した。

 HIV患者を救うための予算が、逆に感染者を増やす呼び水になっているという皮肉な状況だが、ギリシャでは財政危機の中でも「薬物治療プログラム」関連の予算が緊縮される予定はない。

<追記>

 欧州でもこの報道による反響は高く、とくにギリシャからの反発は大きかった模様。WHOではのちに「これらの発表は誤りだった」と訂正するなど騒動の沈静化に動いている。

※FOX BUSINESSによるWHO訂正に関する記事(http://www.foxbusiness.com/economy-policy/2013/11/25/european-crisis-half-hiv-infections-in-greece-are-self-inflicted/)

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Written by 内村塩次郎

Photo by F.Montino

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