先日、日本のお米の消費量が減っているというデータをご紹介しました。世のごはん派にとっては心配な話ですが、さらにお米とセットと言っても過言ではないおかずの代表格である「魚」の生産量も年々減少しているようです。今回は日本の漁業にまつわる統計データを調べてみましょう。
<グラフ1>農林水産省「漁業・養殖業生産統計年報」のデータをもとに、筆者がグラフ化しています。また、2017年の数値は概数となります
まず、グラフ1は「日本の漁業・養殖業の生産量」の推移を現したデータです。総生産量は河川・池・沼など淡水における「内水面漁業・養殖業」と海における「海面漁業・養殖業」をまとめたもの。1984年は1200万トンを超えていましたが、2017年は431万トン(概数)とピーク時の1/3にまで落ち込んでいます。
ちなみに、居酒屋のメニューでホッケの開きを見かけることが少なくなりましたが、ホッケの漁獲量は1998年の約23万4000トンをピークに減少を続け、2015年は約1万7000トン。つまり最盛期の1割以下にまで落ち込んでいるのだそうです。
<グラフ2>FAO(Food and Agriculture Organization)のデータをもとに、筆者がグラフ化しています
次にグラフ2は「世界の水産物の漁獲量・生産量(2016年)」の上位30国をピックアップしたデータとなります。日本は米国、ロシアに続いて7位をキープしていますが、8位フィリピン、9位ペルー、10位バングラデシュとは50万トン以内の差ですから、いつ追い抜かれてもおかしくない現状と言えそうです(もちろん『上位であればいい』という意味でもありませんが)。
<グラフ3>世界銀行「2030年までの漁業と養殖業の見通し」で公開されたデータをもとに、筆者がグラフ化しています
また、グラフ3は2014年に世界銀行が発表した「2030年までの漁業資源:漁業と養殖業の見通し」という報告書で、世界の主な国や地域における2010年から2030年までの漁業・養殖業の成長率予想を算出したもの。中国やインド、欧州や中央アジアなど軒並みプラス成長を示していますが、日本だけマイナス成長と予測されていて、今後も日本の漁業・養殖業の生産量は減少していく可能性が高いということでした。
日本人にとって身近な食材であった「魚」ですが、これからどんどんと食卓に上る機会は少なくなっていきそう。将来、魚を目にするのは水族館だけということにならないとよいのですが...。(文◎百園雷太)
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