11月5日、タイ南部チュンポーン県の路上で警察が54歳男性を20年前の計画的強盗殺人共犯の容疑で逮捕しました。
容疑者男性は1998年12月5〜6日に南部スラタニー県で荷物を積むために路上に駐車したトラック内にいた男性2人を仲間と共にナイフで脅して頭に黒いビニール袋を被せた上、ピックアップトラックに乗せ連れ回した挙句、ナイフで2人共を殺害して道路脇の池に遺棄した罪に問われています。
殺害された2人の遺体は10年後の2008年9月になって白骨化した姿で発見されたことから容疑者男性に逮捕状が出ていました。
警察の取り調べに対して殺害を自供し、逮捕状が出たことを知って逃亡していたと語っています。ただし一部罪状は否認しており裁判で争う姿勢を見せています。
実は今回逮捕を成し遂げた警察捜査班に殺害されたうちの1人の男性の息子がいたことからタイで話題となっています。アッサダーウット・マークプラディット巡査部長がその人です。
アッサダーウット巡査部長は事件当時、まだ母親のお腹の中にいました。子供の頃母親にお父さんはどこに行ったのと尋ねても答えてもらえませんでした。15歳の時にようやく殺された事実と、生前息子には警察官になって欲しがっていたことを知らされてから、警察官採用試験に合格するよう一生懸命勉強し、昨年試験に見事合格。今年2月に警察官になったばかりでした。
それ以来、父を殺した犯人を捜していたのです。犯行グループのうち2人は既に逮捕され、残るは1人だと判明しました。
11月3日になって母親の家の近所の人から犯人が最近実家に戻ってきて母親の家の周辺を車で何度も走っていたという情報がもたらされました。そこで捜査員を集めて逮捕に至ったのです。時効は実に1か月後の2018年12月2日に迫っていました。
アッサダーウット巡査部長は、父を殺した犯人逮捕に参加できて嬉しいと語っています。ただし警察官になったのは父の願いを叶えたかったためで、父殺しの犯人を逮捕するためだけではないとのこと。所掌任務は時効間近の未解決事件の捜査で、警察官になって以来、実際に何人も他の未解決事件の容疑者を逮捕しています。
今回の逮捕時は、法を犯すようなことをしたら今まで苦労をして自分と妹を育ててきた母を悲しませるので法を順守するように努めたそうです。警察官の仕事に誇りを持ちこれからも真面目に任務を遂行していくと語っています。(取材・文◎赤熊賢)
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