日本人に人気の観光地のタイ。本サイトの副編集長もタイのリゾート地パタヤをしょっちゅう訪れているが、まさかそこの「ホテル」で奇妙な体験をした。
ホテル予約サイトで見つけて予約したパタヤ南部の「ホテル」に行くと、そこはホテルではなくコンドミニアム(マンションのこと)。名前はUnixxというタワーの建物だった。
ていうか、すっごく綺麗なマンション
入口ロビーにホテルを運営するEzi Trip Stayという会社の以下のカウンターがあり、そこでチェックインなどするのだが、やはりどうもホテルという雰囲気ではない。しかも、何かスタッフも、人目を避けるように働く奇妙な雰囲気があった。
「な〜んか変だったんですよね〜」(本サイト副編集長談)
部屋に入っても、そこはやはり普通のマンションのような雰囲気で、ホテルという雰囲気ではなかった。以下は、TABLO副編集長が部屋のバルコニーから撮影した写真だ。
オーナーには会えず、郵便受けに鍵が入っていたそうだ
部屋は綺麗だがホテルとは程遠い感じ
プールやガーデンも完備なんですが明らかに「住んでいる人」とエレベーターで乗り合わせてしまう
しかしどうも違和感から嫌な予感を感じて、早々にチェックアウトして退散した。
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その予感は当たった。今月、ここが摘発されたのだ。
2月6日(水)の午後、タイの政府取り締まり当局とタイ警察の合同捜査班がUnixxにホテル業法違反の強制捜査に入り、このEzi Trip Stay Co.,Ltd.社をホテル業法違反容疑で逮捕したのだ。
タイでは民泊は違法であり、ホテル以外で部屋を30日未満で貸し出しをする事は違法だ。同社はこの違法行為を「闇ホテル」として大規模に行っており、今回の逮捕にいたった。タイ警察は、同社には他にも容疑があるとして捜査を続けている。
逮捕の際には、急に闇ホテルでのチェックインなどが出来なくなった観光客が入口にごった返していた。TABLO副編集長もあやうく、こんな状況になる所だったのだ。
「むしろ、こうなってみたかったですよ」(本サイト副編集長談)
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そして、この逮捕までの動きを取材した所、この事件の裏にはタイ不動産業界の「闇」が見えてきた。
このコンドミニアムはタイの不動産会社の「レイモンランド」という会社が開発した物件だ。レイモンランド社は2016年夏に日系の不動産会社に同Unixxの開発協力を依頼、その際の条件として、レイモンランド社経営陣が同物件の入口のセールスオフィス等の最優先利用権を渡す事を約して、開発や投資を協力させてきた。
日系不動産会社はこれに応じて協力を行ったが、2018年初夏に突如としてレイモンランド社は最優先利用権の行使に応じなくなり、そして同セールスオフィスにはEzi Trip Stay社の違法賃貸業のオフィスが開設されたのだ。
レイモンランド社が最優先利用権に応じなくなった2018年8月中旬には、レイモンランド社の関連会社である同物件の管理会社が、被害にあった日系不動産の経営陣の自宅に不法侵入をしており、これもタイ警察で事件化されている。これも、嫌がらせの犯罪だったのではないかという疑惑が浮かんでいる。
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実際、このようなタイ不動産会社による詐欺的な行為は、一部で横行しているという。タイでは様々な法の不備があり、法的には被害者の救済が行われるという事は難しく、ましてや外国企業や外国人であればなおさら難しい為に、本来なら企業は違法行為が行われないように関係企業も含めて注意義務を果たさなければいけないのだが、そうなっていない実態が一部のタイ大手不動産会社にはあるという。
今月の事件の引き金となったタイのレイモンランド社は現在、日本の大手デベロッパーである東京建物(東証一部上場、代表者:野村均)との共同事業としてバンコクに「Tait12」「THE ESTELLE」の2物件の開発を発表し、現在は東京建物の名前を使って大々的に宣伝、販売を行っている。
東京建物と言えば、一般の人にも「Brillia(ブリリア)」というマンションブランドなどで、有名な大手デベロッパーだ。
バンコクの共同事業の物件でも、東京建物の物件だからと安心して買っている人も多いだろう。しかし、このような事件をレイモンランド社側が起こしている中で、東京建物の見解はどのようなものだろうか?
東京建物に取材した所、「ご指摘の内容につきましては、当社は関与いたしておりませんのでコメントする立場にはございません」と回答している。
この事件は現在、タイ警察でも他の容疑も含めて捜査が続いている。これについては引き続き、捜査当局などへ取材を続けていく予定だ。(取材・文◎西山哲治)
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