バレちゃったんじゃあ、しょうがない
大通りの歩道上に座って物乞いをしている少年。右足がありません。警察官がやって来て立ち上がるように命じます。すると...。
そんな様子をとらえた動画がタイで話題となりました。
警察官の指示に従って左足だけでぴょんぴょん跳ねながら健気に立ち上がった少年は、やおらズボンをずらします。すると、右足が生えたではないですか!
たった43秒のこの動画、1日で100万回再生されるほどネット上で拡散しました。
「まさに市民の頼れる存在だ。すごいぞ警察官。足のない身障者を元どおり歩けるようにした。拍手」
動画の投稿主がfacebookに書いたこのコメントも大いにウケています。
この少年は器用に右足を長ズボンの中にたたみ入れて右足のない身障者のフリをすることで同情を誘って物乞いをしていたワケです。巧みさにある意味感心しますが、この手法はわりとポピュラーなようです。
以前カンボジア国境の市場でもカンボジア人男性が片足をズボンの中に折り曲げて隠す同じ手口で地面を這いながら物乞いをしたことで警察に逮捕されています。自供によると稼ぎは1日に最低1,000バーツ(約3,400円)。逮捕された日も僅か30分で200バーツ(約680円)得られたとのことなので、並みの大卒サラリーマンより高収入を得ています。
大多数の国民が南伝仏教を信仰するタイでは、困った人を助けたり寄付をしたりして徳を積むと現世はもとより来世にも良い影響があると信じられています。それで多くのタイ人は物乞いを見かけるとお金を恵みます。さらに欧米からの外国人観光客も気前良くお金を投げ入れて行ってくれることから、物乞いにとってタイは稼ぎやすい環境が整っている国といえるのです。
タイの観光地や市場でよく見かけるそんな物乞いの中には、よく言われているように元締めによって組織化されていて、車で毎朝稼ぎの多いスポットに送られてくるケースもありますが、実情は元締めの下に属さずに自ら進んで物乞いをしている者も多く存在しています。
それも本当に身体障害者や知的障害者で普通の仕事が難しい者、老齢で職が見つからない者から、座っているだけで普通に働くより高収入が得られるからと物乞いをする者まで様々です。
恵む側も物乞いを見分ける目が必要なのかもしれません。(取材・文◎赤熊賢)
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