もう皆さん、辟易していると思われます。相撲の話題。という事で賛否両論あるのは承知でぶっちゃけて書きたいと思います。
今回は貴乃花親方の立場で考えてみます。なぜなら、少数の立場であり(相撲協会内では)、僕の性分から立場の弱い人に思い入れがあるからです。
僕も人並みに相撲が好きです。小さい頃から亡父の隣で見てきました。ここ数年は格闘技として、興味深く見るようになりました。ラグビーをやっていましたから、相撲の立ち合いはタックルと似ているなと思ったり、色々な見方をすると楽しいものです。
ここでは「あえて」そういった相撲の本来の強さ、楽しさから離れて、相撲報道について考察してみます(本サイトでは再三やっていますが)。
相撲問題については、テレビを見ている人もフラストレーション溜まっているのではないかと勝手に想像しています。
みなさんの感想は「貴乃花の態度はけしからん」か「相撲協会が悪い」か「もう相撲の話はいいよ」かの3種類ではないですか? 違ったらごめんなさい。
では以下に論考していきます。
大相撲問題シーズン2
現在は、既に「相撲協会vs貴乃花親方」という図式になっていますが、1か月前まで『日馬富士暴行問題』がテーマだったはずです。という事で、今は海外ドラマ風にいうとシーズン1からシーズン2に移っています。シーズン1は日馬富士引退まで。
今は「貴乃花親方が正しいのか、相撲協会が正しいのか問題」になっています。
で、前述したように、僕は思い切って貴乃花親方の立場で全て考えてみます(バランスを取るなら白鵬の立場になって考察もしなければならないのでしょう)。
1 貴乃花親方の態度への批判への批判
大前提として、貴乃花親方は相撲協会に喧嘩を売っているのです。こう考えると彼の言動は理解しやすいです。
だとするならば、ああいう(傲慢な?)態度にもなるでしょう。卑近な例ですみませんが、僕もある会社にいた時に、上司に逆らった時があります。「ふざけんなよ」と言葉に出かかりました。言ってしまうと、収拾がつかなくなるので何も言いませんが、そうすると、目つき・態度に出ます。いわく「生意気だ」となります。
皆さんもそういう経験、おありではないでしょうか。組織に逆らうということは、理事のような立場の人間なら、また大企業だったら、やるかやられるかくらいの覚悟が必要でしょう。クーデーターも視野に入れるくらいの大事です。弁護士も用意しますでしょう、それは。
2 コメントをノイズとして取り除いていく作業
たくさん露出していらっしゃるので一例として挙げさせて頂きますが、例えば相撲レポーターの横野レイコさんは、最初に「貴ノ岩がアイスピックを持っていたという噂もあるんです」と言った人です。多分「また力士同士の喧嘩か」と軽く考えていたのか、会友の方々も同様です。
従って、相撲協会のスポークスマン(コメンテーター)の言っている事は僕はあまり信用していません。
何なら「相撲協会広報部」という役職でも得て、その立場での言動ならそれを尊重します。職業に貴賎なしです。相撲リポーター、ジャーナリストとか名乗るからこちらは「きっと俯瞰した意見を言ってくれるのだろうな」と勘違いしてしまうのです。僕は「あ、期待したこちらが悪いのか」と結構、初期の段階で分かったので幸いでした。まずは本稿ではこれらをノイズとして取り除いたまま論考を進めるとします。
モンゴル力士勢力について、ガチ勢について、星の回し合いについて、などもここではノイズとさせて頂きます。ノイズはそれをテーマに語る時、ノイズではなくなります。あくまで「本稿では」という限定です。
3 貴乃花親方の行動の深層心理
彼の今回の行動の動機はどこにあるのでしょうか。動機は週刊文春に(話していないともされている)あります。報道では「ただではすまさない」といった過激な言葉がフィーチャーされていますが、そうではなく僕は、
「私はその場にいたわけではなく、真相はわかりません」
ここだと思っています。
「俺の知らないところで何が起きているのか。また時津風部屋事件の悪夢が起きているのか。また犠牲者が出なければならないのか」
愕然としたのではないでしょうか。
危機管理委員会は会見で、貴乃花親方の理事降格については、要するに「報告をしなかったから」「聴取に応じなかったから」と言っています。それはそうでしょう。もう喧嘩は始まっているのですから。裁判も視野に入れているのですから。
それと、「相撲界のような特別な世界だからしょうがない」という風潮。これは色々な分野でも言われてきました。が、その度に世間の風や外部の意見を取り入れて改善してきました。
プロレスでもシゴキの最中、最悪な事件がありました。犠牲者が出ないと内部は動かないのですか? その前に何か手を打つのが上に立つ者の責務ではないのですか?
では電通は? 誰かが亡くならなければ「事件」として公にならなかったのですか? その前に何とかしなければならなかったのではないですか?
その際、司法が間に立つことで真実の少なくとも一端が分かるはず。裁判ならなおさらです。すなわち、前述の貴乃花のインタビューとされている、
「私はその場にいたわけではなく、真実はわかりません」
と言っている事に俄然、得心が行くのです。まずは「真実」を彼は知りたいだけなのです。そのためになら相撲協会とも喧嘩するという事でしょう。それからどう動くかはまた次の段階。つまりシーズン3です。
ある程度真実は分かってきました。
元横綱日馬富士が殴った。最強白鵬が見ていて止めなかった(最後は止めたようですが裁判を待ちたいところです)。
今回の事件とプロレスや電通の例えは厳密にはトレースは出来ませんが、大きな構造は同じだとは思いませんか。貴乃花親方の行動は、最悪の事態が起きる前に公にすべきだという事が動機ならば、僕は彼の服のセンスを抜かして、今のところ支持です。
因みに僕の中学・高校は若貴の出身校で強豪校です。相撲大会で何回も優勝しています。相撲部の同級生と飲んでも「まさる(元若乃花)はさぁ」という名前は出ても「光司は」という言葉は出てきません。この時期ですから口が重くなるのは仕方ないでしょう。彼らとは色々、相撲について話しましたが、友情を優先して何もここでは書きません。
ただ、「どんな事があろうと体罰はダメだ」とは言っていました。明大中野相撲部名監督故武井美男先生(僕らの在学中、ほとんどの生徒からリスペクトされていました)の薫陶なのでしょうか。
もしかしたら武井先生の精神は、貴乃花に受け継がれているのかも知れませんね。部は違えど、一応自分も中学の先輩なので、一回酒でも飲んで聞いてみたいくらいです。
文◎久田将義
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