国際政治学者の「スリーパー・セル発言」についての問題。様々な意見が見られるが、中でも、実際に工作員はいるのだし、存在する可能性を排除できない段階で言及するのに問題はあるのかという指摘について考えたい。
「工作員」と一言で言っても形態は様々だ。本国から派遣された者、現地でスカウトされた者、情報を収集する者、そして破壊工作をする者(テロリスト)。
件の発言では「実際に戦争が始まったらテロリストが仮に金正恩さんが殺されて、もう指導者が死んだってわかったら、もう一切外部との連絡を絶って、都市で動き始めるスリーパーセルが活動するって言われているんです」とし、そのテロリストはソウルや東京、大阪に潜んでいるとした。
日本に北朝鮮を初めとする各国の情報工作員が存在するだろうことについては、専門家も否定はしないだろう。しかし破壊工作を行うテロリストが潜んでいるというのが、今回の発言の主旨である。
日本に武装したテロリストが潜んでいるとするならば、これは大事件で今すぐにでも検挙する必要がある。しかし、この10年を見ても、北朝鮮関連先の公安事件は何件もあるが、その容疑は薬事法や外為法、関税法といったもので、テロと関係のある銃刀法違反などは見当たらないのが現実だ。(文◎李ソヨン)
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