麻生太郎財務相と言えば、元々失言が多くて有名ですが、例えば、
・憲法改正論についてナチス政権の「手口を学んだらどうか」
・金正恩にミサイルを撃ってくれて感謝しなれければいけないね
などと言ったのが最近では記憶に新しいです。
この言葉だけ取るとひんしゅくものです。本来、色々な閣僚や議員が辞任してきましたが、むしろこの言葉より軽いものまで、職を辞してきました。それでも麻生太郎氏が辞任しないのは安倍内閣の中枢であると同時に、それを凌駕するほどの愛嬌が麻生太郎財務相にはあったとは政治記者の多くの感想です。「半径2メートルの男」と言われているように、近づいて話をすれば、毒舌だけれども魅了してしまう、人間的な愛嬌があるというのです。可愛げと言ってもよいかも知れません。
また六本木のバーで1670万円を遣ってしまいましたが、それも今となっては言われてみれば覚えているくらいで、既に忘れられた案件です。
すなわち世論というのはこのように、一斉に勢いづく時はありますが、波が引くように他に大事件が起きる一気に収まります。
政治家は多少の失言で、テレビの前の視聴者の反感を買えども、地元で人気があれば落選しないのです。そこには「ウチの●●先生」という地元愛が失言政治家たちの政治家生命を支えています。
が、今回の麻生太郎財務相の「愛嬌作戦」は通じませんでした。東京新聞の望月記者に対して「それは上に言わされてるの?」と返し、得意技の笑顔を振りまきますが笑いが起きず、またその模様をテレビで放映されコメンテーターもドン引き。
その後の囲み記者会見ではさすがに側近から言われたのか笑顔は封印。得意の冗談と愛嬌作戦も出さずにいました。そこでは佐川元国税庁長官を「佐川が」「佐川が」と官僚を呼び捨てにして、佐川氏の責任の範疇で公文書書き換えが行われた旨を必死に強調するしかありませんでした。
そこには愛嬌や皮肉を振りまく、かつての麻生太郎流の記者会見術は見られず、「ナチス擁護」とも受け取られかねない(当時は国際問題にまで発展すると言われたが)発言もこなしてきた麻生太郎財務相のパフォーマンスはありませんでした。
それほど今回の疑惑はヤバいという雰囲気が麻生財務相、および麻生財務相の派閥志公会内でも蔓延していると思われます。
最早、「半径2メートルの男」の魅力も通じなくなった、今回の森友問題。自死者まで出してしまったからには、笑顔や冗談を振りまいている事態ではない事を麻生太郎財務相には自覚して頂きたいものです。(文◎編集部)
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