目まぐるしく変化する世間の論調や多様性の波に大手メディア側がついていけない、遅れをとるという事案が続いています。
9日午後9時50分頃、東海道新幹線「のぞみ」内で発生してしまった無差別殺傷事件でも、メディア側の報じ方が一元的であるとして厳しい批判にさらされており、犯人像の印象操作とも思える報道や、SNS上での取材体制などが物議となりました。
そして今回もまた、新幹線殺傷事件を扱った情報番組「Mr.サンデー」(フジテレビ系)放送内の発言が物議となっているようです。
今月10日に放送された同番組では、小島一朗容疑者逮捕にあたった小田原警察署前からの中継がスタジオと繋がれていたのだが、現場リポーターから現在の状況を踏まえた警察の見解として以下のような言葉がありました。
『「梅田さんが立ち向かったおかげで多くの乗客が助かった、救われた」という見方と、「梅田さんが立ち向かって容疑者を刺激した結果として最悪の事態を招いてしまった」こうした2つの見方を慎重に検討しながら捜査を進めている状況』
この被害者の落ち度を指摘するような言葉に批判が殺到する形となってしまったのです。
・他の乗客を襲っている犯人を止めるためにとっさにとった被害者の行動に落ち度があるかのような言い回しがありえない
・警察発表の言い回しではないね
・余計なコメントしたよな
・他局と違うこと言わなきゃというプレッシャーから余計なことを言うとかダサすぎ
・車内なら 速やかに脱出も難しいので 結局のところ 近くのヤツが初期対応する以外ないぞ
・事実だけ伝えりゃいいのになぜそんな簡単な事も出来ないのか
・余計な味付けで不味くなるパターン
フジテレビ側としては、昨今のトレンドでもある多様性や一元的でない報道を取り入れたつもりだったのかもしれませんが、結果的に必要性がないうえに被害者遺族への配慮に欠けるという悪手を打ってしまった形です。
フジテレビはもう、無理に報道を頑張らなくてもいいのではないでしょうか。ドラマとバラエティだけのテレビ局があってもいいと思います。(文◎編集部)
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