弊サイトの副編、岡本タブー郎君がツイッターで「テレビ局は(実際には新聞社も?)ヘリコプターをたくさん飛ばすな。一社にしろ。助けを求める声や放送が聞こえなくなる」という事を訴えていました。
阪神淡路大震災では、多くの方が犠牲になりました。今回の震災でも幼いお子さんお年寄りが犠牲になりました。数の問題ではありません。人一人の命の尊さは何にも代えがたいです。
熊本震災でも一部のメディアが被災者に怒鳴られたシーンがありました。それは被災者だってイラつきもします。人間ですから。それを思い遣ってこそ、メディアは事故・事件を報じなければならないはずです。
以下の「パペポTV」。上岡龍太郎、笑福亭鶴瓶両氏の放送でのコメントを一部抜粋してみます。金言です。阪神淡路大震災後、ほぼ直後の放送です。
上岡龍太郎(以下・上岡):テレビはあかんね。こんなにテレビのレベルがひくいとはさすがに。今度の報道見ててまったくだめ。テレビ局には芸能レポーターしかいてないね。ワイドショーしかよう作らんね。
笑福亭鶴瓶(以下・鶴瓶):何でこんな事言うのが必要? もっと必要な事があるやろ。(略)一番わかっているのはマスコミですから。こっちも水もっていけとか、パン持っていけとかそこまで言わんわ。「こっちのほうに避難した方がいいですよ」とか、先にしたらええのに。「すごく燃えてます」とそんな事いうたって......。
上岡:その日は風向きはどうで、どこが燃えてそこから先はどの辺に避難した方がいいのか全く言わない。
鶴瓶:テレビって何映し出してんねんて。(略)ほんとにテレビってどういう役目をしているのかいうのがね。ワイドショーとかわりませんねん。
上岡:本当にジャーナリストとか報道番組はテレビに期待したらあかんね。人もいなけりゃ、作り手もいなけりゃ送り手もいない。
これは1995年の放送です。今の状況にも通じる言葉とは思いませんか。という事は、メディアの報道姿勢は何の進歩もしていない事になります。
僕個人の体験で恐縮ですが、新潟・珠生ちゃん事件現場。僕ともう一人の老婦人が献花場で手を合わせていると、後ろからテレビクルーらしき数人から笑い声が聞こえてきました。
http://tablo.jp/case/news003296.html
それを思い出しました。
報道する側が過熱するのは分かります。「この事件、事故を取材して報じてやる」。そこまでの情熱は良いのです。しかし、そこに被害者や遺族がいる事を、報道人の前に人間であるべきではないでしょうか。でないと、視聴者離れはどんどん進んでいくと思われます。
まず、事故・事件後のメディアスクラムを避けるために各放送局のトップが「協定」を結ぶべき時期にきているのではないでしょうか。
それにしても、上岡・鶴瓶両氏の番組を放送した、讀賣テレビはリスペクトします。骨のあるテレビマンがいるのですね。(文◎久田将義)
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